奄美群島でサトウキビが収穫の時期を迎えています。ただ、徳之島では製糖会社と運送組合の間で運送料について折り合いがつかない状態となっていて、製糖作業の見通しが立っていません。
奄美群島では、台風などに強いサトウキビが主要な作物です。農地のうちの54.8%で栽培されていて、なかでも徳之島は、奄美群島全体の44%にあたる17万2000トンあまりと島別では最も多くなっています。
徳之島で唯一の製糖会社「南西糖業」は、あす11日から今シーズンの製糖作業を開始する予定ですが、問題が起きています。サトウキビを工場に搬入する17の輸送業者でつくる組合との間で、運送料について折り合いがついていません。
運送料は100メートルにつき22.418円で、そこに基礎運賃が加えられ、昨シーズンの基礎運賃は1475円でした。組合は値上げを求めてきましたが、南西糖業が提示している金額は、昨シーズンを100円下回る1375円です。
これを受け、組合はきょう10日時点で、輸送を行わない方針を示しています。
(奄美きび輸送事業協同組合 前陽一理事長)「この物価高の状況のおいて、さすがにそれは素直に飲み込んで、はいそうですかという訳にはいかない。
(Q.組合側が求めているのは昨シーズンと同額?)それ以上でもないし、それ以下でもない」
一方、南西糖業は、提示した運送料は適正と主張します。
(南西糖業 網島弘信徳之島事業本部長)「昨年と比べて単価を下げているが、一昨年と比べれば条件は改善している。妥当な金額であると認識している」
サトウキビ農家は1トンごとにおよそ1万6000円の国からの交付金が受けられますが、工場に搬入しなければ、交付金を含めた収入が得られません。
徳之島のサトウキビの年間の生産額はおよそ40億8000万円で、今の状況が続けば島の経済に大きな打撃となります。
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