10日は「世界人権デー」。高校生がジェンダー平等について考えるワークショップに参加しました。5か月にわたる活動を通して生徒たちが感じたこととは。

高校生の男女33人が参加

高校生が集まったワークショップ。テーマは「ジェンダー平等」です。

若者の理解を促進しようと福岡県が初めて企画したもので、県内20校から高校生の男女33人が参加しました。

戸畑高校2年 黒木結菜さん「これからの社会に必要なことだと思うので参加しました」

高校生は6つのグループに分かれて自分たちでテーマを設定。アンケートやインタビューなどおよそ5か月にわたって調査してきました。

4人に1人が「自分の性別にストレスを感じたことがある」

こちらのチームのテーマは「ストレスとジェンダー」です。

高校生、およそ1300人が回答したインターネットによるアンケートでは、男子生徒の約26%、女子生徒の約24%、およそ4人に1人が「自分の性別にストレスを感じたことがある」と答えました。

鞍手高校2年 許斐莉乃さん「4分の1の人は性差を自分自身につけられたからこそ性別の差からストレスを感じているっていう回答が得られたのかなって思ったりしました」

Q自分も感じることある?
「自分はちょっとかっこいい服とかも好きだけど、女だからこういうなんなんしなさいみたいな、そういう偏見じゃないけど」

進路とジェンダー「女医」は言うのに「男医」は言わない なぜ?

一方、こちらのチームが調べたのは「進路とジェンダー」です。

理系分野で活躍する女性の医師と教師にインタビューし、理系に進んだ理由や大学や職場の状況などについて話しを聞きました。

医師 河村圭子さん「大学に入学したときは、男女比ってなると7割が男性、3割が女性って感じで、全体的に割合として男性が多い」

アンケートでは、男子生徒のおよそ3割、女子生徒の4割以上が「男性が理系、女性が文系と感じたことがある」と回答。

調査した高校生からもこんな声が聞かれました。

戸畑高校2年 黒木結菜さん「物理の先生に女性がいて意外だなと思って。男性は理系、女性は文系っていうの私にも固定観念としてあるんだなって思いました」

戸畑高校2年 山村実伶さん「お医者さんとかって男性は普通にお医者さんじゃないですか、女性が女医さんっていうから、そこでも女医さんていう言葉に少しやっぱりその女性が珍しいみたいな意味が含まれてるから、そういうところで少し性差を感じるなっていうところはあります」

家事や育児にかける時間 妻は夫の5倍以上

石川正規さんは男子校で来年春から共学になる福岡市の東福岡高校の1年生です。

調査したテーマは「女性は家事、男性は仕事といった性別で決められた役割意識」

内閣府によると、夫婦の家事・育児にかける時間は日本はほかの先進国に比べ、妻が長く夫が短いという調査結果に。

妻の時間は夫の5倍以上に上っています。

父親と母親が家事を分担しているという石川さんは、この結果を意外に感じたそうです。

東福岡高校1年 石川正規さん「家庭での役割分担で女性の方が家事を中心に、という家庭が結構多いっているのが調べて出てきたんですけど、ちゃんとそれぞれ役割を決めている家庭もあって、そこは全員が全員、そうではないんだっていうのを知ることができました」

メディアやSNSに多い『男性は理系、女性は文系』というイメージ

高校生たちは、「福岡県ジェンダー平等フォーラム2024」で6チームそれぞれの成果を披露しました。

戸畑高校2年 黒木結菜さん「若い世代が触れることが多いメディアやSNSで、『男性は理系、女性は文系』というイメージがついていることもあるということが分かりました」

東福岡高校1年 石川正規さん「私たちにできることは、男女観にとらわれず、いち人間として相手を尊重すること。学校で男女で不必要な違いのある校則の改善提案を行うです」

タレントのSHELLYさんも参加

フォーラムには、タレントのSHELLYさんも参加しました。

SHELLYさん「性の多様性というものをいろんな方向からちゃんと見て、私も凄くこう見てて勉強になることいっぱいあって素晴らしいなと思って、感動してしまいました」

高校生とワークショップを行った 福岡女子大学 野依智子教授「ジェンダーは人権問題なので、年齢が若ければ若いほど、こういうこと考える必要があると思います。さらに、いろんな問題があるんだなと、そういう問題の広がりも持てたんじゃないかと思います」

若い世代の身近な「気づき」

5か月間にわたってジェンダー問題に取り組んだ高校生たち。

若い世代の身近な「気づき」が性別に関わらず平等に暮らせる社会を実現するためのひとつのカギとなりそうです。

東福岡高校1年 石川正規さん「男子の意見ばっかり高校でもあって、なかなか女性の考えを聞くことがなかったので、そういう意見を聞くことができたのが、成果だと思っています」

戸畑高校2年 山村実伶さん「ジェンダー、ジェンダーって聞くけれど、どういう問題があるのか全然わからなかったし、でもアンケートとか、インタビューをしたりして、こういう問題があってこういう解決策があるよねみたいな、ジェンダー問題そのものに対する理解は深まったんじゃないかなと思います。」

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