ガソリン価格の値上がりに、あちこちで「困った」という声が大きくなっています。12月19日から政府の補助金の段階的な縮小で、来年になると1リットル185円まで上がりそうです。
(報告:平岩洵人記者)
「こちらのガソリンスタンドではレギュラー161円、ハイオク172円と平均よりも安くなっていますが、先週より2円値上げしたということです」
名古屋市中区のガソリンスタンドにも値上げの波です。
こちらでは企業努力で、なんとか価格を抑えているということでしたが、愛知県内の12月2日のレギュラーガソリンの平均価格は171円、全国では175円でした。
(タカラ石油 平野由次 店長)
「これだけ高くなると(燃料の)数量や金額を設定する人がいます。『何とか安くならないかな』という話はよく出ます」
(利用客)
「月々の負担が増えている。安くしてほしい」
「遠出できないですよ。だから、いま出かける時は車を置いて地下鉄で」
「180円とかテレビで見ましたけど、今よりすごく高くなりますもんね。よく乗っている人にはきついです」
19日から補助金減額 満タンはそれまでに
最近は本来1リットルあたり190円前後となっているガソリン価格。政府は、これまで補助金で「175円」前後に抑えてきました。
しかし12月19日からは補助金を減額し、来年1月中には店頭価格が「180円」に。
そして2月には「185円」に上がる可能性が出ています。
(タカラ石油 平野由次 店長)
「あまりにも高くなると企業努力では限界がある。4~5円ほど上がるかもしれません。もし満タン入れるなら19日までに入れていただくといいかなと思う」
年末年始を前に生活に直撃するガソリンの高騰。
物流関係の現場でも頭が痛い問題です。愛知県大府市に営業所を置くこの運送会社は、岡山や静岡まで運ぶ長距離の仕事もになっています。
(ナルキュウ中部 谷本弘光 取締役副社長)
「トラックは走るのに燃料が必要なので、燃料が10円・1円上がっただけで、かなり大きい影響があります」
燃料代UPで「利益が出ない…」
トラックの燃料の軽油を、こちらでは1か月に約3000リットル業者から仕入れています。
このところの軽油の値上がりも深刻なんです。
(ナルキュウ中部 谷本弘光 取締役副社長)
「(これまでと比べて)だいたい1.2~1.3倍の請求が来るので、『間違えているんじゃないの?』というぐらいの請求が来ます」
愛知~岡山間の往復で使う燃料はトラック1台で約300リットル。
燃料代が4万円近くかかり、これでは利益が出ないと言います。
あわせて時間外労働が制限された「物流の2024年問題」や最低賃金の引き上げも絡み、会社は苦しい台所事情が続きます。
経済を動かす燃料 打開策は?
仕事を発注してくれる荷主に対しては、燃料費UPに伴う輸送料金のいくらかの値上げを理解してもらえないかという思いが…。
(ナルキュウ中部 谷本弘光 取締役副社長)
「お願いするしかない。ただ、全てかなうわけではないので、その分は会社が負担しなきゃいけない」
さらに、国に対しては…。
(ナルキュウ中部 谷本弘光 取締役副社長)
「軽油引取税32.1円を下げてもらうのか、なくしてもらうかを検討してもらいたい」
モノを動かし人が移動するにはどうしても燃料が必要です。
経済が硬直すれば暮らし全てに波及します。この先、打開策はあるのでしょうか?
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