これからレジャーシーズンが本格化します。山などに出かける方も多いと思いますが注意しなければいけないのが「ダニ」です。宮崎県内では今年4月に70代女性がマダニが媒介する感染症「SFTS」に感染し、今年に入って初の死亡者が出ました。

以下、2023年5月13日掲載の「感染者100人に達し死者26人 ペットなど動物を介して感染も 急増するマダニ感染症『SFTS』」を再掲載します。2023年当時のデータが記されていますが、感染予防のためにご覧ください。

SFTSという感染症についてです。ヒトに感染した場合、致死率およそ20%という恐ろしい感染症なんですが、その感染ルートに特徴があります。


SFTSは、マダニにかまれて発症する場合があるんですが、マダニにかまれていなくてもペットなどの動物を介して感染する場合があります。

そのSFTSが今年、急増しています。

ネコがSFTSに

マダニが媒介する感染症、「SFTS」が急増しているということを聞き、宮崎市内の60代の女性のもとを訪ねた。

先月、女性の自宅で飼っていたネコの体調に異変があり、動物病院を受診したところSFTSと診断されたという。


(宮崎市内に住む60代女性)「異様に水を飲んでいた。それとけん怠感というかぐったりしていて、まさかと思った」

ネコがSFTSに感染した場合、致死率は60%にのぼるという。


(宮崎市内に住む60代女性)「すぐネットで調べたが、致死率が高いということでもう駄目かなって心配だった。この辺に(ウイルスを持ったマダニが)いるんだとびっくりした」

幸い、感染したネコは回復傾向にあるという。

ネコが遊んでいた裏山で次々と


今回、特別に許可を得てそのネコがよく遊んでいたという裏山を訪れた。


すると、早速複数のマダニを発見した。


(渕雅顕記者)「いました!動いてます。こんなに身近なところにいるんですねやっぱり」


その後も、次々とマダニを捕獲。

「家の近くなんですけどかなりの数がいますね」
「いま10匹ぐらい捕獲したんですが、これが服についていても分からないですね」

1時間の調査で13匹のマダニが見つかった。


身近な場所にマダニは潜んでいるのだ。

(宮崎市内に住む60代女性)「山とかに行くときはちゃんとした身支度で行けというのはポスターとかで見てたし、身近にこんなにいるとは思わなかった。(外に)出さないのが一番でしょうけど帰ってきたらちゃんと見てしてあげたほうがいいかなと思ってる」

宮崎大学産業動物防疫リサーチセンターによるとSFTSに感染したペットは先月だけで5例確認されたという。

これに対し、昨年度、確認されたのは、6例。

先月だけで、1年間に匹敵する数の感染例が確認されたのだ。

さらに、ヒトへの感染について衝撃的なデータが・・・

宮崎県が国内で初めて感染者数100人に達する


(宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター岡林 環樹 教授)「県内感染者が合計100名を超えてると。これは2013年からの調査の合計累計数だが増加傾向にあるのかなと」


2013年に国内で初めて確認された「SFTS」。


全国の都道府県で、宮崎県が初めて感染者数が100人に達したのだ。
このうち26人が死亡しているという。

感染者数の増加について岡林教授は、ウイルスを持ったマダニが増加している可能性もあるとした上で、宮崎の環境も影響しているのではと話す。

(宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター 岡林 環樹 教授)「自然が多い。自然が豊かであるといったところからマダニに接触する機会が多いというのは言われていた」


そして、これからの時期特に注意が必要だという。

(宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター 岡林 環樹 教授)「人では大体5月ごろをピークに発生数が増えることが国立感染症研究所報告で言われている。このSFTSを媒介するマダニはほんとにどこにでもいると」


春から秋にかけて活動が活発になるというマダニ。

これから、レジャーシーズンが本格化するのを前に、この感染症についてしっかりと理解しておくことが大切だ。

(宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター 岡林 環樹 教授)「無駄に怖がる必要はないと思うが、そういった感染症があるという事実を理解して行動してもらえれば」

SFTSに感染しないための対策

まずは、マダニにかまれない ということが一番ですので、服装ですね。
長袖や長ズボンなど肌の露出を減らすこと、それに、虫よけスプレーも効果的です。

それ以外でも、帰宅後はダニがついていないか確認することや、ペットを飼っている方はこまめなブラッシングも大切です。

これからレジャーシーズンも本格化し、公園や山などにも行く機会が増えると思うので、気を付けたいですね。

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