高騰する宿泊費で注目される「夜行バス」。これまでの「安い」というメリットに加え、とても「快適」に進化した夜行バスが、いま注目されています。
夜行バスを“ホテル代わり”に 女性客の利用7割
南波雅俊キャスター:
夜行バスが様々な進化を遂げています。
広島と東京を結ぶ『グランドリームエクスプレス広島号』は一度廃止になったのですがリニューアルし、11月21日に再び運行を開始しました。
JRバス中国は「移動と宿泊を兼ねられる夜行高速バスはコスパ抜群」だといいます。なんと同じ区間でも時期によって半額以下になるそうです。
例えば『夜行バス グランドリームエクスプレス広島号 東京発→広島行き』の場合、最安値は7400円、一番高いときは1万9000円になるということです。
これを新幹線で移動した場合、新幹線(のぞみ 自由席)1万8380円+ホテル1泊(広島市内の週末の平均価格)1万9076円となりますので、だいぶコストは抑えられます。(オンライン旅行会社Trip.com調べ)
井上貴博キャスター:
私が学生時代だった20年前の夜行バスはプライバシーがなく、あまり綺麗でもなかったので寝られなくてつらいものでした。今はだいぶ変わっていますね。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
昔の夜行バスは『コスパが良い』だけで、あとは我慢との戦いでしたよね。今はとても進化しているなと感じます。
寝顔・すっぴん見られない 進化する夜行バス
南波キャスター:
高速バスなどを手がける「WILLER EXPRESS」によりますと、夜行バスの女性利用者は約7割にも増えているということです。目的の3割が「コンサート」や「イベント』になるそうです。
そんななか、バスの比較ナビによりますと「女性専用車両を運行するバス会社も、すっぴんのまま乗れると人気です」といいます。
バス会社の平成エンタープライズでは東京・大阪・京都などの主要都市に待合スペース「VIPラウンジ」を設置し、公式サイトで予約をすると無料で利用できるそうです。化粧品はすべて無料、美容家電は使い放題なんです。
ホラン千秋キャスター:
安く済ませたいのはもちろんですが、荷物が多いと邪魔になるので使わせてもらえると便利ですね。
南波キャスター:
プライベートを確保できるバスもあります。WILLER EXPRESSのオリジナルシート『DOME』は顔が見えないようにできる大型のフードと、スマホホルダーが設置されています。
さらに関東バスの「ドリームスリーパー」には完全個室(全11席)があります。料金は東京ー大阪間で2万円ほど、アメニティや室内着の貸し出しもあり、予約はすぐに埋まってしまう状況だということです。
井上キャスター:
ここまでくると値段的に新幹線+ホテルとほぼ変わらなくなってきますね。どちらにしようかなというレベルになっています。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
一つの体験になりますね。外国人観光客向けにYouTubeなどで「日本に来ればこんなに充実したバスがあるよ」と発信できそうですね。
ホランキャスター:
時間も節約できますし、移動するカプセルホテルみたいですね。
トイレの不安もスマホで解決
夜行バス乗車中に「急にお腹の調子が…休憩時間まで我慢できない」「話し声が気になって寝られない」といったことにも対応するサービスがあります。
WILLER EXPRESSの「おたすけDM」というサービスでは、乗客がスマホで「困りごと」を運行管理者に送信すると内容を確認し、乗務員に連絡、対応をしてくれるそうです。
深刻な乗務員不足 解消は?
一方で夜行バスには課題もあります。
バス比較ナビによりますと「乗務員不足で書き入れ時でも増便を出せないバス会社も多い。それが解消されればさらに利用者は増えるでしょう」ということです。
実際、WILLER EXPRESSではバス運転手の名称を「ハイウェイパイロット」に変更しました。名前を格好よくするだけではなく、「キツイ」「長時間労働」イメージ一新を目指し、平均年収を今後600万円まで引き上げる計画だということです。
労働環境も改善することで、人材をしっかり確保したいという取り組みを行っています。
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