中国電力島根原発(資料写真)
中国電力は7日、島根原発2号機(松江市)を再稼働した。2012年1月以来、約13年ぶり。島根原発は全国で唯一、県庁所在地に立地。東京電力福島第1原発(福島県)と同じ型式の沸騰水型軽水炉としては、東北電力女川原発2号機(宮城県)に続き2基目の再稼働になった。福島第1原発の事故後にできた新規制基準下で再稼働した原発は、計14基になった。◆営業運転入りは2025年1月上旬を予定
中国電力によると、2号機は午後3時、原子炉で核分裂を抑える制御棒が引き抜かれ、起動した。核分裂が安定的に続く「臨界」状態となった後、今月下旬に発送電を開始し、来年1月上旬の営業運転再開を目指す。 原子力規制委員会による新基準に基づく審査では、施設の耐震設計の目安とする基準地震動を820ガル、最大の津波の高さは11.9メートルと設定。2021年9月に適合と判断された。審査申請は2013年12月で、審査期間7年9カ月はこれまで再稼働した原発では最長。原発から南に数キロ先を東西に走る活断層「宍道(しんじ)断層」の評価などを巡り時間がかかった。◆福島第1原発と同型、水素爆発を防ぐ装置を追加
2011年3月に始まった事故対策工事では、全長1.5キロ、高さ15メートルの防波壁を新設。福島第1のような水素爆発を防ぐため、建屋内に漏れ出た水素の濃度上昇を抑制する装置なども取り付けた。工費は計約9000億円だった。 2号機は1989年2月に営業運転を開始し、出力82万キロワット。島根原発は3基あり、1号機は廃炉作業中。3号機は規制委の審査中で、2030年度までの稼働を目指している。(山下葉月、荒井六貴)記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
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