大分県臼杵市の食文化や伝統工芸を情報発信する「うすきフェア」が東京駅近くのセレクトショップ「アナザー・ジャパン」(東京都千代田区大手町)で開催されています。企画したのは、大分市出身でお茶の水女子大学2年の堀綾花(19)さん。高校時代に訪れた臼杵市に一目惚れし、今回の事業を行うことになりました。
驚きやワクワク感を届けたい
「アナザー・ジャパン」は、全国の地域産品を販売するセレクトショップです。経営は全国各地から上京してきた大学生が担い、自ら現地に足を運んで商品を仕入れ、販売も手がけます。
堀さんは5月中旬から何度も臼杵市を訪れ、地域の人たちと交流しながら出品への協力を依頼してきました。今回の「うすきフェア」には、世界一大きな醸造用木樽で作られた「世界一木樽醤油(フンドーキン醤油)」、臼杵煎餅の新ブランド「百寿ひとひら」、濃厚で味わい深い「有機緑茶(高橋製茶)」など、堀さん自らが選んだ50商品が販売されています。
また、九州最古の味噌蔵「カニ醤油」が普段量り売りしている味噌を提供するため、オリジナルのパッケージづくりにも取り組みました。
フェア開始から1週間足らずで、すでに売り切れになる商品も出ていて、反響が大きいということです。
堀さん:
「臼杵の皆さんが温かく協力してくれて、本当に助けられました。来店者に臼
杵を知ってもらい、驚きやワクワク感を届けられているという手ごたえはあります」
若い力に地域も応援
2日には臼杵市の魅力をアピールする強力な助っ人が来店しました。「堀さんが足繁く通ってくるうちに仲良くなった」と笑顔で話すのは、「臼杵観光センター・うすき皿山」代表の宇佐美裕之さん。江戸時代に途絶えた幻の焼物を現代版臼杵焼として蘇らせた人物です。
この日、臼杵焼作りが体験できるワークショップが開催され、事前予約した10人が参加しました。宇佐美さんは菊や桜の形をした箸置きの作り方を教えながら、臼杵市の歴史や文化、観光情報を紹介し、参加者との交流を楽しみました。
埼玉県川口市から参加した佐藤智子さん「臼杵焼の名前は聞いたことがありましたが、実際に器を見たり、作品づくりを体験できたりする機会があって、とても感激しました。ぜひ一度現地にも行ってみたいです」
ワークショップ終了後、宇佐美さんは参加者に対して、うすきフェアで売られている商品の特徴を詳しく案内して、堀さんの活動をサポートしました。
宇佐美さん:
「10年前に復活させた臼杵焼も東京の大分県人会をはじめ、多くの人に応援していただき、知名度があがっていった。今回、堀さんのような学生が企画して、地域の魅力を発信してくれることは素直にうれしいし、自分にできることはお手伝いしたいと思う」
堀さん:
「地元大分が大好きで、東京でもその魅力を発信したいと思ってきました。この活動を通じて、これからも色々な地域のことを学びながら応援していきたいです」
東京駅前に一夜限りのスナック
そして10日(火)には、臼杵らしい温かい一杯を届けようと、一夜限りの“味噌汁スナック”をオープンする予定です。堀さんの様々なエピソードを聞けるだけでなく、参加者同士の交流も楽しめるとのこと。「シメ」は、臼杵の味噌でつくった味噌汁を提供します。
堀さん:
「スナックは“人の輪が次から次へと繋がっていく”あたたかい場所なんです。そんなひとときを届けたいと思っています」
なぜ企画展でスナックを開こうと思いついたのか?“綾花ママ”に直接聞いてみてはいかがでしょうか。「うすきフェア」は12月15日(日)まで開催。“味噌汁スナック”(定員20人:事前予約制)は10日午後7時にオープンします。
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