食品衛生法の改正により、2025年6月から保健所の営業許可がなければ漬物を販売できなくなりました。

これを契機に青森県弘前市の青果店が約700万円かけて加工場などを設置し、市民の台所「虹のマート」に漬物店をオープンしました。

許可がなければ販売できなくなった『漬物』

弘前市民の台所「虹のマート」で2日にオープンしたのは、漬物店「おみおつけ」です。店先には定番商品の赤カブの千枚漬けのほかに、セロリの漬物や赤シソを使った「さくら大根づけ」など自慢の逸品がずらりと並んでいます。

3日は40kg以上の漬物が売れる盛況ぶりで、4日も朝から大勢の人が買い求めていました。

客は
「種類がいろいろあるので、スーパーで買うよりもほしいものがある。ナガイモの漬物とかセロリとか、ここでないとないものがあるので」

「値段も手ごろだし、味も私の好みに合ってるし、家族も合ってるような感じなのでここ選んで買ってます。週3回~4回来てます。常連です」

漬物はもとももと、同じ虹のマートにテナントを構える青果店「カネ伸 石田綜合食品」が扱っていましたが、このほど、漬物だけの店をオープンさせました。きっかけとなったのは、食品衛生法の改正です。

「ないがしろにはできない」より安心・安全に…
約700万円で加工場を新設した思い

「漬物」は、2024年6月から保健所の営業許可がなければ販売できなくなりました。もともと衛生面の基準はクリアしていましたが、さらに対策を徹底するため約700万円かけ加工場などを新設しました。

カネ伸 石田綜合食品 石田康一 社長
「(資金の部分は)正直大変ですが、お客様に対して安心・安全をより強くお届けするためには、そこはちょっとないがしろにはできない」

先代から40年以上作り続けてきた昔ながらの漬物。その味わいは、常連客の胃袋をしっかりと掴んでいて、営業中も仕込んでようやく間に合うほどです。

カネ伸 石田綜合食品 石田康一 社長
「弘前の台所と言われる『虹のマート』が、もっともっとさらなる発展をしていかなければならない。そのなかで運営もしっかり頑張っていただいていますので、心強いところもありますので、いま頑張らせてもらっています」

食品衛生法の改正により県内ではこの冬、漬物作りを断念する人もいますが、同時に、伝統の味を守るための取り組みも着実に進んでいます。

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