福島県金山町の町民たちが中心になって、JR只見線をテーマにした映画を作っています。この映画、なんと監督もカメラマンも地元の金山町民。只見線への愛にあふれる手作り映画を応援しようと、あの大女優が金山町を訪れました。
映画「あいせき列車只見線」。JR只見線をテーマにした作品で、今回が3作目です。第1作と第2作では、奥会津の美しい風景や只見線で繰り広げられる人間ドラマを描き出し、好評を博してきました。
映画をつくるプロデューサーも、監督もカメラマンも、全員が金山町の町民。季節ごとに異なる只見線の絶景撮影ポイントを知り尽くしています。
監督・井草葉子さん「只見線が走っているタイミング何時ですか?」
総合プロデューサー・坂内譲さん「3時ちょい過ぎくらい」
監督・井草葉子さん「駅を何分に出ているので何分ぐらいにここまで来ますよ、みたいなことを言ってくれる人たちが周りにいるのはとても助かります」
カメラマン・桐山達郎さん「本数が限られていますからね」
この日、最初の撮影は会津川口駅。監督の井草葉子さんは、テキパキとスタッフに指示を出していきます。
大女優・竹下景子さんも出演
東京で30年以上、テレビ番組のディレクターを務めてきた井草さんは、3年前、両親のふるさとである金山町に移住したことがきっかけで、映画制作に携わるようになりました。
一方、カメラマンの桐山達郎さんは、テレビの世界で10年ほどキャリアを積んだあと、美しい自然の中で農業がしたいと金山町に移住してきました。この10年間、カスミ草栽培の農家として金山町で暮らしています。
桐山さん「楽しいです。普段は畑仕事なので、まさか金山に来てドラマ撮影ができるとは思ってなかったです」
映画には、金山町の町民も参加しています。写真家として知られている星賢孝さんです。星さんが撮る美しい只見線の写真は海外でも有名で、多くの観光客が写真の風景が見たいと奥会津を訪れます。
井草監督「(星さんは)役者さんです」
星さん「役者といっても写真家星賢孝の役だから」
井草監督「本人役なので。本人のまんま」
いよいよ撮影開始。駅で誰かを待つ星さん。星さんの相手役は、俳優の竹下景子さんです。
「賢孝さん!」
只見線に乗って、50年ぶりにふるさとへ帰って来るシーンです。
竹下さん「『ふるさと愛』に感銘」
竹下さんは、映画を作って只見線を盛り上げたいという地元の人たちの心意気に共感し、映画の第2作から出演。金山町出身で、今は台湾で暮らしている女性を演じています。
竹下景子さん「台本を開くと役名が書いてあって、下に本人って書いてある欄がいくつもあるんです。皆さん故郷への愛がとても強くていらっしゃる。言葉一つ一つに自分たちの故郷、アイコンみたいな只見線、その『ふるさと愛』にいつも感銘を受けています」
午後の撮影は、金山の古民家がセットに選ばれました。竹下さんが、金山の友達と50年ぶりに再会するシーンです。友達役の役者さんたちは、はりきっていました。
竹下さん「(エキストラの演技は)最高です!ネイティブだもの。この空気がいい。金山の皆さんと一緒にいると、自然にしゃべれるような気持ちになるんです。それが楽しい」
星さん「竹下さん、さすけね」
井草監督「みんなうまいんですよ。金山劇団ですから」
来年の公開に向けて、撮影は終盤を迎えています。
井草監督「いっしょにやる仲間がいるのはとても大きかったですね」
桐山カメラマン「いいところなので、あっという間でしたね、10年。こういう形でも町に恩返しできたらいいな」
只見線が運ぶ、たくさんの希望を詰め込んだ映画「あいせき列車只見線」。完成後はYouTubeで公開し、地元での上映会も予定しているということです。
この映画には、竹下景子さんのほかにも、俳優の高嶋政宏さんや南野陽子さんも出演します。実行委員会では、クラウドファンディングを立ち上げて映画制作への協力を募っているということです。
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