一心不乱にサンドバッグを打ちこむ、強さを追い求める高校生たちがいます。
会津工業高校ボクシング部。
部員は選手9人とマネージャー3人。
創部およそ35年で、2012年のロンドンオリンピックに出場した須佐勝明さんを輩出するなど県内屈指の強豪校として知られています。
放課後になると、常設のリングがある校内のジムで練習に励む選手たち。
ボクシング部が一番大切にしているのは、地道な基礎練習です。
篠原顧問
「基礎は下半身の動き、足の動きにあると思っていて、パンチを打っていない時の動き、立ち位置を大事にしています。会津工業でボクシングを頑張ったから、今の自分があるんだと。頑張れる様な人間になってもらいたい。」
部をまとめるのは室井慶汰主将です。
室井主将
「男なんで憧れてボクシング部に入りました。」
室井主将が得意とするのはインファイト。
接近戦でプレッシャーを掛ける、攻撃的ボクシングスタイルです。
同じく二年でサウスポーの伊関翼選手。
ボクシングを始めた理由を尋ねるとシンプルな答えが。
伊関選手
「自分がどれだけ強いか確かめたかったからですね。」
その眼差しから、静かな闘志を感じさせる伊関選手。
183センチの長身で、相手のパンチが届かない距離を保ちながら攻撃のチャンスをうかがうアウトボクシングを得意としています。
正反対のボクシングスタイルを持つ二人。
階級は異なりますが、良いライバルとして切磋琢磨しています。
伊関選手
「キャプテンとしてみんなを引っ張ってくれるし頼りがいのある部長です。」
室井主将
「良いライバルですね。僕より身長もデカいし、パンチも強いし、翼に負けたくない気持ちで練習してますね。」
しかし、去年、予期せぬアクシデントが伊関選手を襲います。
伊関選手
「やっちまったなーって感じですかね。その時打ったパンチが角度が悪くて、複雑骨折になっちゃって。」
練習中に左パンチが相手の肘に当たり骨折。
長期期間、練習ができませんでした。
伊関選手は諦めず、できることをコツコツ積み重ね、ケガから復帰して行われた新人戦で優勝をつかみ取ります。
伊関選手
「骨折した時から治って、またコツコツ練習して、全部報われた気がしてすごく達成感がありました。」
ミットに鋭い視線でパンチを打ちこむのは、部で唯一の女子ボクサー鈴木璃子選手。
鈴木選手
「まわりが男子だから、体力的に続かなくなる時が多いから、それに着いていけるように頑張っているところです。」
中学ではバレー部の鈴木選手。
あるきっかけでボクシング部に入部しました。
鈴木選手
「父の影響で格闘マンガを見たりして、格闘マンガとかが好きで、かっこいいと思っていたので、自分もそんな風にかっこよくなりたいと思って入部しました。」
それぞれの思いを胸に強い気持ちでリングに上がる選手たち。
基礎練習のあとはスパーリングに近い、マスボクシングが始まります。
マスボクシングとは、試合よりも軽い動きや力で相手と技術を試し合うものです。
練習もだんだんと熱を帯びていきます。
そして最後はサンドバッグトーレーニング。
フォームを崩さずにパンチを打ち、パンチ力の向上や正確性、そしてリングで戦い続けるための体力向上を図ります。
鈴木選手
「今後はどうしても人を相手にするとちょっと弱気になっちゃうから、心の強い選手になりたいですね。
室井主将
「僕にとってボクシングは無いと駄目なくらい大きい存在です。」
伊関選手
「今自分のできる最大の力を発揮して後悔のない三年間、ボクシング人生にしたいと思います。」
室井主将
「今後の目標は、一月の東北新人大会で県代表として優勝することです。頑張るぞ、おー!」
『ステップ』
https://www.tuf.co.jp/general?id=147
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2024年11月27日放送回より)
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