水俣病の関係団体と環境省による実務者協議が開かれ、不知火海(しらぬいかい)沿岸住民の健康調査について環境省側は具体的な方針を明らかにしませんでした。
今年5月、当時の伊藤信太郎環境大臣と水俣病の患者・被害者団体の懇談会で、水俣病患者連合の松崎重光(まつざき しげみつ)さんの発言中、環境省の職員が松崎さんのマイクの音を一方的に切りました。
これを受けて今年7月、再び開かれた懇談会で環境省側は、団体側が早期の実施を求めてきた不知火海沿岸の住民の健康調査について「遅くとも2年以内に実施できるように準備を進める」と明言していました。
11月27日の実務者協議で環境省は、健康調査の準備費用として7000万円を来年度予算として要求していることを明らかにしました。しかし調査地域や対象者、期間については「検討中」と述べるにとどめました。
これに対し、団体側からは「不知火海全域の住民が健康不安を抱えている。健康調査を全域で実施する考えはあるのか」との声が上がりましたが、環境省は明言を避けました。
また、調査方法について環境省は「脳磁計」と「MRI」を組み合わせた手法を検討していますが、これについて団体側は「時間がかかる手法で大規模な調査に向いていない」などと懐疑的な見方を示しています。
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