20日午後、青森県の 「陸奥湾」を震源とする最大震度4の地震が発生しました。
気象台は1週間程度、今回の地震と同じ程度の揺れに注意するよう呼び掛けています。
1週間程度は今回の地震と同じ程度の揺れに注意を…
20日午後3時40分ごろ、陸奥湾を震源とするマグニチュード5.1の地震がありました。
この地震で最大震度4を平内町、野辺地町、横浜町、それに佐井村で観測し、震度3を青森市などで観測しています。
青森地方気象台は21日午前、この先の見通しについて発表し、1週間程度は今回の地震と同じ程度の揺れに注意するよう呼び掛けました。
仙台管区気象台 地震津波防災官 吉田 知央さん
「陸奥湾周辺は地震活動が活発になりますので、起きた地震と同じぐらいの規模の大きさの地震が起こりやすくなっているので、それに注意をしていただくことが大事。今回の様に、今まで活動が無かった、地震があまり無かったところでも、そういった形で地震が起こる可能性は陸奥湾に限らずどこにでもある」
今回の地震活動の周辺は、過去に目立った活動がみられていない場所でしたが、このような場所でも強い揺れを伴う地震が発生することがあるとして、日ごろから地震への備えをするよう呼び掛けています。
特徴は「内陸地震」専門家にきいた今回の地震
今回の地震では、緊急地震速報が発表されなかったことなど様々な特徴があります。地震のメカニズムを研究する専門家は、20日より大きな地震が発生する前触れになる兆候は現時点では確認できないとしたうえで、引き続き警戒を呼びかけています。
陸奥湾を震源とする地震で90年ぶりとなるマグニチュード5以上の地震。平内町などで最大震度4を観測しました。今回の地震について、地震のメカニズムを研究する弘前大学大学院の前田拓人教授は、「内陸地震」であることが特徴と指摘します。
「内陸地震」は陸のプレートが圧迫され、比較的浅い場所で発生します。これに対して、東日本大震災などの「海溝型地震」は、海と陸のプレートの摩擦で深い場所で発生します。
弘前大学大学院 理工学研究科 前田拓人 教授
「内陸地震というのは、それ(海溝型地震)と比べると相対的にやや小さいものが多いのですが、地震の規模としては小さかったとしても(震源の)すぐそばだけは局所的に非常に大きな揺れにおそわれるというのが内陸地震の特徴」
もう1つの特徴だった「緊急地震速報」の未発表 なぜ?
今回の地震でもう1つ特徴だったのは、「緊急地震速報」が発表されなかったことです。これは、震度4であることなどが速報の発表基準を満たしていなかったためで、多くの県民が地震への備えをする前に揺れ始めました。
気象台によりますと、陸奥湾では16日(土)から21日(木)までに震源が比較的近い場所で相次いで発生し、震度1以上の地震は5回確認されています。
前田教授は、この震源の近くで発生する地震は少なくとも1週間は続くとしたうえで、20日より大きな地震が発生する前触れとなるような兆候は、現時点では確認できないとしています。
弘前大学大学院 理工学研究科 前田拓人 教授
「今回の地震がもたらすような直接の因果関係がありそうな現象はいまのところ確認されていません。マグニチュード5くらいの地震は日本全国でみますと、いつどこで起こってもおかしくないくらいの規模ですので、広い意味で日本の地震活動の1つだと捉えていただくのがいいのではないかと思う」
今回の地震であらためて、自分が住む地域にどのような危険があり、万が一のさいはどう行動すべきかを確かめることが必要です。
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