ことし、夏に続いた猛烈な暑さで、ミカンやアワビに深刻な影響が出ています。
0.8ヘクタールの敷地でミカンを栽培する、愛知県東海市の宮田農園。この時期、「極早生」のミカンの収穫作業が盛んに行われています。
しかし、ことしはある異変が生じているそうです。
(宮田農園 柿崎敏弘さん)
「夏の暑さが原因で、青いままの実が残ってしまっている」
極早生ミカンの収穫は、例年だと11月中旬にはほぼ終わっているそうですが、ことしは、まだ半分以上が収穫できていません。
(柿崎さん)
「もしかすると、11月下旬まで青いままだと廃棄することになる」
ミカンが色づくには、一般的に最低気温が15℃を下回る必要がありますが、ことしは最低気温がなかなか下がらなかった影響で、色づきが悪く、まだ出荷できないという状態が続いています。
夏の暑さの影響はさらに…
「値段は2割ほど上がるのでは?」
(柿崎さん)
「実が変形して色も変わった(日焼け)状態のものが、ここにも、ここにも…」
夏の強い日差しの影響による「日焼け」。味への影響は?
(柿崎さん)
「外の白い部分が厚く、身が詰まっていない状態。この実は水分もなく、スカスカで味もない」
こうした影響で、ことしの収穫量は2割ほど減る見通しですが、その反面「値段は2割ほど上がるのでは?」と話す柿崎さん。
この厳しい環境下をなんとか潜り抜けたミカンは非常に甘く、おいしく仕上がっているそうですが、来年以降も猛暑が続くと、心配なことが…
(柿崎さん)
「極端に高温が続く日が、今後(来年以降)も続いてしまうと、なかなかみかんの栽培を継続することが、難しくなるのではないか」
猛暑の影響は、水産資源にも…
アワビの漁獲量減り…高校生たちが稚貝の放流作業
三重県志摩市の和具地区。海水温が上昇した影響などで、近年、アワビの漁獲量が減少。
和具地区では以前、約40トンの漁獲量がありましたが、3年前からの漁獲量は、1トンにも満たない水準に…
そのため、地元の高校生たちが稚貝の放流作業を行うなどして、なんとか地元の特産品を保護しようと躍起になっています。
(三重外湾漁業組合 和具事務所 山本桂さん)
「工夫しながら(漁獲量を)増やしていきたいが、なかなか自然に勝てないのが現状」
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