ジャンルを問わず幅広い分野のアート作品が並ぶ県の公募展、「越中アートフェスタ」。ある作品が一際大きな注目を集めています。

無数の小さなキャラクターたちが楽しそうに暮らす空想のセカイ。高岡市のYUIGAさん(21)が描いた「パラレルワールド・タボ」です。

YUIGAさん
「自分を信じて何も考えずに描いていったら、こういう形になりました」

YUIGAさんの作品は出展された467点のうち最も優れた作品に贈られる「越中アート大賞」に輝きました。

今回初めての応募で大賞を射止めました。

YUIGAさん
「最初はちょっと信じられなくて、すいませんけど、疑ったみたいな」

YUIGAさんが絵を描き始めたのは高岡支援学校中学部の美術部に入ってから。高等部2年生の時には、初めての個展も開きました。

ほぼすべての作品が「ユカイなクニ」と名付けられ、このクニの住人は老若男女問わず全員「タボちゃん」。

YUIGAさん(当時、高等部2年)
「みんな表情が違っとって、楽しいユカイなクニというか。タボちゃんの顔も自分の心が表れとるんで。悲しいのはあまりないですね」

高岡支援学校美術部の元顧問で障害者アート支援工房ココペリの米田昌功代表は、
絵に打ち込むことでYUIGAさんは情緒も少しずつ安定していったといいます。

障害者アート支援工房ココペリ 米田昌功 代表
「どんどん描くものが豊かになっていって、それに伴って本人の表情もどんどん豊かになっていって、その過程を見ているの楽しかったですね」

今回「越中アート大賞」に輝いた作品は「独自の表現方法で作者の想像力という内なる『心の音』を驚くべき根気強さで表現した」と高く評価されました。

受賞者によるクロストークでは――

YUIGAさん
「下書きないから間違える時もあったんですけど、そういう時は紙を貼ってました。結構紙貼ったところ多いんですけど、わからなくてよかったです」

そして今後の夢について聞かれると、YUIGAさんは「ずっと絵は描き続けたいと思っています」と迷わずに答えていました。

YUIGAさん
「心も落ち着くし楽しいし、描いとると結構うれしいことがいっぱいあるんで、よかったです、絵に出会えて」

「越中アートフェスタ」は20日午後5時までです。

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