福岡県東峰村の観光複合施設「アクアクレタ小石原」の運営会社=「小石原ドットコム」が村に連絡をせずに破産申請を行い突然、施設が閉館となった問題。4月26日に福岡地裁で開かれた債権者説明会では、小石原ドットコムの社長が出席し謝罪しました。閉館から2か月以上経ちましたが、いまだ営業再開の目途は立っていません。

債権者説明会 出席者は「何の進展もなかった」

債権者説明会に出席する東峰村職員

4月26日午後3時から福岡地方裁判所の集会室で開かれたアクアクレタ小石原の債権者説明会には、東峰村の担当者や債権者ら約10人が出席しました。出席者によりますと、説明会の冒頭で破産手続きを行っている小石原ドットコムの大城美佳社長が「このような事態を招いて申し訳ございません」と謝罪。その後、破産管財人の弁護士が施設閉鎖の理由や破産申請に至った経緯などを説明したということです。説明会は約20分で終了しました。

RKB土橋奏太記者「どんな説明をした?」
小石原ドットコム 大城美佳社長「何も話せません。弁護士に聞いてください」

小石原ドットコムの社長と担当弁護士

大城社長は取材には応じず、足早に会場から立ち去りました。また、担当弁護士も「詳細な内容は言えない」としています。出席者からは「何の進展もなかった」と不満の声も挙がっています。

村が約4億円かけて改修した施設 3年も経たず突如閉鎖

突然閉館されたアクアクレタ小石原

九州北部豪雨からの復興のシンボルとして2021年の4月にオープンした「アクアクレタ小石原」。少子化の影響で閉校した旧小石原小学校を東峰村がおよそ4億円かけて改修し、教室は宿泊施設、給食室はレストランに生まれ変わりました。運営会社の公募には4つのグループが応募し、審査の結果「欧風料理ブレーメン」が優先交渉権者に選ばれました。その後、筑紫野市でコールセンター業務を行う「小石原ドットコム」が村と5年間の土地と建物の賃貸契約を結び、施設の運営を行っていました。

施設の入口には張り紙が

しかし、開業から3年も経たない今年2月、小石原ドットコムは突然、ホームページで閉館を発表。東峰村にも事前の連絡はありませんでした。破産の手続きが完了するまで、所有者である東峰村の担当者も施設の中には入れないと言います。

東峰村 真田村長

東峰村 真田秀樹村長「破産管財人から施設の引き渡しを受け、一日も早い再開を目指したい」

福岡地方裁判所

施設の運営の実績に乏しい新会社に運営を任せ、経営状況も把握していなかったことについて、東峰村の真田村長は「反省している」と述べています。閉館から2か月が立ち、書き入れ時のゴールデンウィークを迎えましたが、村の観光施設の再開の目途は立っていません。次回の債権者説明会は7月を予定しています。

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