2050年、東京では75歳以上の高齢者のうち、実に3人に1人が、ひとり暮らしになる。そんな推計が公表され、波紋を広げています。
2050年、東京では50万人の高齢者が“一人暮らし”になるとの推計も
東京西麻布で入居が始まったのは、シニア向けのサービス付き高級住宅。
水中ウォーキングも楽しめる温水プールに、麻雀やカラオケの設備も。最上階には帝国ホテルの料理が味わえるダイニングがあります。
看護や介護を担うスタッフも常駐するこの施設。グレードの高い部屋の入居金は5億円を超え、月々の利用料も50万円以上です。
高齢化が進む日本。11月12日(火)に公表された国の推計では、今後1人暮らしの高齢者が急増することがわかりました。
東京では、一人暮らしの75歳以上の高齢者は2020年時点で50万人、それが2050年には90万人になるというのです。
一人暮らしの高齢者を支える“共助”の形も
東京・稲城市が始めた取り組み。90代で一人暮らしをする女性の自宅トイレにはある仕掛けが…
一人暮らしの女性(90代)
「(Q.ここの上の電球ですか)そうです」
トイレの電灯が24時間点灯しなかった場合や、つけっぱなしになった場合は、異常があったと判断。親族などに連絡がいくシステムです。
一人暮らしの女性(90代)
「息子が2人いますが、離れて暮らしてるので、ありがたく利用しています」
一方、こんな試みも始まっています。
帰宅した82歳の宮本幸一さんを出迎えたのは、19歳の孫ではなく、大学生の清水春喜さん。
清水さんは10月から宮本さん宅の空き部屋で一緒に暮らし始めました。
光熱費を入れて月3万円を支払いますが、ワンルームを借りるのと比べれば格安です。
この日、昼食を用意しているのは宮本さん。週に一度は一緒に食事をするといいます。
大学生 清水春喜さん(19)
「宮本さんは転職されたんでしたっけ?」
宮本幸一さん(82)
「(今は)あちこち動いてキャリアを積む時代だからね。最初にどこへ行くかはこだわらなくてもいいかも」
就職活動を控えた清水さんに助言する宮本さん。
宮本幸一さん(82)
「私のことを認知症気味だなって思ったらよくウォッチしていてもらいたい」
清水春喜さん(19)
「任せて下さい」
高齢者が若者と住まいを共有する「異世代ホームシェア」の取り組み。
両者を繋いだNPOは…
NPO法人 リブ&リブ 石橋鍈子代表
「ちょっとの工夫でシニアの方が何か若者の役に立てば、共助の形になるんじゃないかと。ギブ&ギブ。少子高齢時代に血縁とか地縁を超えた新しい絆作りができるのでは」
宮本幸一さん(82)
「あと半月ぐらい経ったら(清水)春喜さんに柿を取ってもらおうかなと」
清水春喜さん(19)
「頑張ります」
一人暮らしの高齢者が急増する未来でも持続可能な社会へ。試行錯誤が続きます。
将来的には介護職員57万人が不足との推計も
膳場貴子キャスター:
共同生活は理想的ですが、一方で深刻な高齢化のデータがあるんです。
中西悠理アナウンサー:
国の研究所が発表した地図では、全世帯のうち65歳以上の一人暮らし世帯の割合を都道府県別で示しています。
2020年時点で一人暮らし世帯の割合が15%を超えているのは13道府県なんですが、2050年には全国で15%を超え、さらに32の道府県で20%を超えると推計されています。
こうした中、懸念されるのが、「2040年問題」です。
1970年代前半生まれで人口の多い団塊ジュニア世代が65歳を迎え、全人口の35%が高齢者になることにより引き起こされる社会問題のことです。
例えば介護職員については272万人が必要になると見込まれる中、この先、数が増えない限り、57万人が不足すると推計されています。
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