「ビーントゥバー」、聞いたことがあるでしょうか。チョコレートをカカオ豆の段階から、つまり一から作る本格的なチョコレート作りのこと。そんなチョコレート専門店が鳥取県八頭町の大江ノ郷自然牧場に新たにオープンしました。

卵を原点としたおいしいもので知られる大江ノ郷自然牧場。


新たにオープンしたのがチョコレート専門店「CIEL CRAFT CHOCOLATE TOTTORI」です。

ここでのチョコレート作りは「ビーントゥバー」。

「ビーン」は豆、カカオ豆のこと、「バー」は製品として完成した板チョコのこと、カカオ豆から製品まで一貫して手掛けるのがこの店のチョコレートの特徴です。


ガーナ、コロンビア、ベトナムなどと赤道に近い国々で生産されるカカオ豆。
この店では9カ国から仕入れて、まず焙煎、更に皮をのぞいて細かく砕き、チョコレートの原料となるカカオニブの状態にします。

ここからできる「バー」、板チョコの風味とは?


日野彰紀 記者
「こちらがコロンビア産、こちらがベトナム産、いただきます。カカオ豆の産地によって全然違う味わいのチョコレートになるんですね」


大江ノ郷自然牧場 小原利一郎社長
「全く違いますね、国によって違って、国の中の産地によっても違いますし、その年の天候によっても違うんですけど」


実は先程からカカオ豆と向き合っていたのが大江ノ郷自然牧場の小原社長。

平飼いの養鶏牧場をスタートに卵、そして数々のおいしいものを生み出し、実績を上げている大江ノ郷自然牧場が、チョコレート作りの新しい挑戦に乗り出したのは社長の強い思いがあったからでした。

大江ノ郷自然牧場 小原利一郎社長
「私がもう来年還暦、60になるんですけど、何かものづくりをもう1回やりたいなというのが個人的にあって」


カカオニブをすり潰してドロドロの状態に練り上げるのがコンチング。
滑らかで風味の高いチョコレートにするため、欠かせない工程です。

歴史的にみると、カカオを生産する赤道近辺の国は多くが植民地の時代に生産を始め、いまだに貧困から抜け出せない国もあります。
チョコの半製品を仕入れて仕上げる専門店もある中で、敢えて9カ国からカカオ豆の形で仕入れているのは、適正な価格で買い取るフェアトレードの気持ちが社長にあったからでした。

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