金沢市の中心部に位置し、多くの観光客が利用する兼六園下交差点で、10月17日から歩車分離式信号の交通実験が始まりました。歩行者と車の通行時間を分けることで、車のドライバーにとってはさらなる渋滞が懸念されますが、果たしてどう変わったのか、初日の朝を取材しました。(2024年10月17日放送)
通勤時間帯は大混雑 5年で8人けが
兼六園や金沢城公園などの観光地に近く、通勤の時間帯も多くの車で混雑する金沢市の兼六園下交差点。
兵藤遥陽キャスター(10月16日取材)
「一方が進むと対向車線の車は止まる仕組みになっています」
交差点を曲がる車の通行をスムーズにするため、南北方向の車線はこれまで時差式の信号となっていました。
しかし、去年までの5年間で8件の人身事故が発生。観光客の増加を受け、警察は18日、歩車分離式信号の導入に踏み切りました。
兵藤キャスター(10月17日朝取材)
「時刻は午前8時になりました。朝の通勤ラッシュの時間帯ですが、車は全ての方向で信号待ちをしている状態です。そして歩行者が一斉に歩き始めました」
車と歩行者が通行する時間を完全に分けることで、歩行者にとっては事故に巻き込まれるリスクが大きく減ることになります。
ドライバー
「(歩行者は)いいかなと思います。気にせず渡れるので」
一方で、ドライバーは…
「もう右折してください!」初日はドライバー混乱
警察官
「きょうからここ右折のみになります。前の車と一緒に右折でお願いします」
信号の切り替えに合わせて、橋場町方面から進入する車は、これまで直進と右折ができた車線が右折専用に。
警察「直進できないんです」
ドライバー「あ、本当!?」
警察「今ごめんなさい、もう右折してください!右に曲がってください!」
ドライバー「ちょっと困る。びっくりした」
安全性が高まる一方で、信号のサイクルが変わることで、渋滞が悪化する懸念も。
ドライバー
「やっぱり左車線、混んでいるなと思いました。ちょっと早めに出ないといけないかな」
「めっちゃ混んでて、ちょっと間に合わなくて、どうしようかなと思っているところなんですけど、明日から(会社に)行く時間考えないとなと思っていたところです。結構待っているので、5分~10分は変わるのかなと思っています」
これに対し警察は…
歩車分離で「渋滞緩和」も? 警察に聞いてみると…
石川県警察本部交通規制課・橋本則夫次席
「以前ですと対向車をストップさせて流していた。今回の改正でお互いに対向で車を通すという形になりました。実質的には赤信号を待つ時間についてはそれほど変わらない」
右折や左折の際に歩行者の横断を待つ時間が無くなることで、渋滞を緩和する効果も期待できるとしています。
石川県警察本部交通規制課・橋本則夫次席
「きょうは初日ということでドライバーの皆さんが慣れていないということもあります。この走り方に慣れてもらうことによって渋滞の解消が図れるものと考えています」
交通実験は11月22日までで、警察は渋滞の状況などを見極めたうえで本格導入する考えです。(2024年10月17日放送)
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