7月の記録的な大雨で被災した山形県最上町の老舗温泉旅館が、今週月曜日に営業を再開しました。
災害の発生から3か月半がたちましたが、被災地では奮闘の日々が続いています。
温まりの湯が魅力の最上町、瀬見温泉の老舗旅館「観松館(かんしょうかん)」です。
あの大雨から営業再開まで110日。
旅館を支えた社長や従業員、応援にかけつけた地域の人。それぞれの思いに密着しました。
■あの日の被害
7月25日、県内を記録的な大雨が襲いました。
各地の正確な被害状況も分からない中、私は大雨から6日目の朝、最上町の瀬見温泉に向かいました。
瀬見温泉へ向かう主要道路の片方は土砂で塞がれ、通行止めの状態でした。
温泉街に着き私の目に飛び込んできたのは、土砂に埋もれた車、崩れる建物、絶えず流れ込む泥水。思わず目を覆いたくなるような光景でした。
大変な状況の中、取材を受けてくれたのが観松館の高橋社長です。
■土砂に襲われた老舗旅館
高橋社長「今は大浴場に雨水と泥が流れ込んだので、それの撤去作業をしています」
観松館は瀬見温泉の中でも山の近くに位置しています。
旅館の裏側にある瀬見温泉スキー場跡地の斜面が崩落したため大量の土砂が押し寄せました。
客室には被害がありませんでしたが、温泉旅館の命、地下の大浴場にも土砂が流れ込んでいました。
松浦亜実 記者「旅館の後ろにある山の斜面が崩れ落ち、土砂が流れ込みました。土砂はくるぶしぐらいまで溜まっていて、非常にねっとりして歩きにくいです。こちらの大浴場は今年6月にリニューアルしたということですが、ご覧の通り土砂に覆われています」
■リニューアルしたての美しい大浴場が・・・
高橋社長「6月上旬にリニューアルしたばかりだったのでまだ2か月も使っていない状態で完全に泥かぶってしまったのでかなりショックでしたね」
茶色く染まった浴場に、脱衣所。従業員総出で手作業で泥水を取り除く気の遠くなるような作業が続きます。
従業員「泥が流れてくる。こういうごみも(流れてきて)排水溝詰まっちゃって。(泥水を)出せない状態」
本来、書き入れ時の8月は、すべての予約をキャンセルせざるを得ませんでした。
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