中国電力は30日、8月に予定していた島根原子力発電所2号機の再稼働を、今年12月に延期すると発表しました。中川社長は記者会見で、4か月の遅れにより「約120億円の収支の赤字となる」と明らかにしました。
中国電力 中川賢剛 社長
「当社は本年8月の再稼働を目指して安全対策工事などに取り組んでまいりましたが、再稼働に向けた設備点検との輻輳(ふくそう)により長期化する見通しとなったことから再稼働時期を約4か月延期し、本年12月へと見直しました。」
島根県松江市にある島根原子力発電所2号機は、再稼働に向け、5月までに安全対策工事を完了する予定でした。
しかし、設備点検なども重なり、工事が長期化する見通しとなったとして、30日、原子力規制委員会に対し、使用前確認申請書の内容変更を提出したということです。
島根原子力発電所では、去年12月に構内で作業員が死亡する事故があり、それによる1か月以上にわたる一部工事の停止なども影響したということです。
これにより、当初今年8月に予定していた2号機の再稼働は12月に、営業運転は9月から来年1月にずれ込むことになりました。
中国電力 中川賢剛社長
「4か月遅れることにより、その分燃料費がかかるんですが、減価償却費は逆に減るので、それを差し引いて、約120億円の収支の赤字となると考えています。
島根原発2号機はカーボンニュートラル、それから激しく乱高下する燃料価格の変動に対する抑制策にもなるので、そういう面ではできるだけ早い運転再開を目指していきたいと思いますが、工程ありきでなく、無理のない計画で、安全第一に進めていきたいと考えています」
中国電力では再稼働延期にあたり、「引き続き安全確保を第一に安全対策工事を進める」などと、コメントしています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。