週末に札幌で行われたアイドルグループ「Snow Man」のライブ。競争率が高かったのは、チケットだけではないようです。

伊藤亜衣 記者
「ライブの開演まで1時間を切りました。こちらにはすでに歩道橋の上までファンがズラリと並んでいます」

 9日、札幌市豊平区の「大和ハウス プレミストドーム」周辺の様子です。

人気アイドルグループ「Snow Man」のライブに全国からファンが殺到しました。

旧ジャニーズ系のグループによるドームツアーは2019年の「嵐」以来、5年ぶり。ツアー発表と同時に始まったのが、航空券とホテルの争奪戦です。

 札幌市を皮切りに13公演で予定する動員数は61万人越え。

ライブ当日、新千歳空港には、スノーマンのグッズを身に付けたファンの姿が目立ちました。
                 
札幌市のCDショップにはメンバー9人の巨大パネルが登場。

 10月発売されたニューアルバムの特設コーナーも設置され、推しのぬいぐるみと写真を撮る「推し活」をするファンの姿もありました。

一方、特別メニューでライブを盛り上げる飲食店も。

札幌市西区に10月オープンしたイタリアンレストランでは、期間限定で雪だるまの形をした「雪男クッキー」を提供。

雪だるまの帽子には、9人のメンバーカラーが使われています。

 メニューを考案したスタッフの菅原さんは、スノーマンの大ファン。チケットが取れなかった代わりに応援メニューを企画しました。

ボイルマン 菅原未央さん
「オーナーさんに『Snow Manさんが来るので、こういうことをやりたい』と企画書と一緒に提出して、声を上げたら『面白いから、ぜひやろう』と言ってくれて、1週間前くらいから準備を始めました。私みたいにチケットに縁がなくて行けなかった子にもドームとは別のところで盛り上げてほしいという気持ち」

開演1時間前。ドーム周辺はライブを心待ちにするファンで埋め尽くされました。

集まったファンからは、こんな声も…。

 ファン
「ホテルいっぱいだったのでカラオケでオールします。(ライブの余韻で)乗り越えます」

ファン
「(ホテルが)さっき取れた。当日。全然空いていなくて…」

本来、11月は観光の閑散期ですが、札幌市内のホテルは予約が取りにくい状態となりました。

宿泊サイトを見てみると、通常の週末は2万円台で泊まれる部屋が、この土日は4万円台まで高騰。素泊まりで5万円を越すプランもありました。

 福岡から来たファン
「私たちはツアーが発表された直後に取ったのでだいぶ安く取れましたけど。(友達が)飛行機で往復8万くらいしたみたいで。ホテルも4万くらいして…」

予約が取りにくかったのはホテルだけではありません。

札幌市にある完全個室のネットカフェでも、過去に経験がないほどの集客率だといいます。

DiCE札幌狸小路本店 新井レオ サブマネージャー
「普段にはない予約で、満席という案内をさせてもらっている。1か月前に予約を開始してすぐに予約が埋まり切ったというかたちです」

約2時間半のライブが終わり、ドーム周辺は再び、大混雑。中には、100キロ以上離れたホテルを目指すファンも…。

 ファン
「旭川市まで戻るんですけど、札幌のホテルは埋まっちゃっていました大人気で。午後10時の電車に合わせて頑張ります」

今回、宿泊予約などで起きた混乱について北海商科大学の池ノ上真一教授は「コロナ禍で従業員数を減らしたホテルが多く、
施設のキャパシティを最大限に生かせていないことが要因として挙げられる」と指摘しています。

 また、対策として「宿泊業者の組合などがイベント主催者などと連携して、コンサート用の宿泊セット商品の開発・販売することなどが効果的ではないか」ということです。

池ノ上教授は、こうした商品づくりなどに「宿泊税」を補助金として活用することも1つの手だと話しています。

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