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<米フロリダ州では1979年に初めて目撃されて以降、アジア原産のビルマニシキヘビの個体数が爆発的に増加しており、地域の生態系を破壊しつつある>

米フロリダ州で、ビルマニシキヘビが体重約35キロのホワイトテールディア(オジロジカ)を丸呑みする様子がカメラに捉えられた。生物学者たちはこれについて、ビルマニシキヘビがこれまで考えられていたよりも大きな獲物を捕食することが可能なことを証明していると述べている。

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8月に米カンザス大学の爬虫類・両生類研究チームが発表した「Big pythons, big gape, and big prey(大型ニシキヘビの大きな口と大きな獲物)」という論文の中で研究者たちは、フロリダ半島に生息するホワイトテールディアの体重はビルマニシキヘビの体重の66.9%に相当すると記している。

今回カメラに収められた捕食行動は、ニシキヘビが環境に及ぼす影響についてより深い理解を得ることを目的とする研究の一環として、2022年12月に研究者たちが観察・撮影したものだ。

研究論文の共著者の一人であるイアン・バートシェックは科学ニュースサイト「ライブサイエンス」に対して「12年にわたってフロリダ州南西部でニシキヘビの追跡・観察を行ってきた中で最も強烈かつ印象的な光景だった」と語り、さらにこう続けた。

「本当に原始的で、大型のヘビがいる場所では何百万年も前から繰り広げられてきた光景なのだろうと感じた。残念ながらフロリダ在来種の野生生物はこの最上位捕食者と共に進化を遂げてきておらず、その結果がこのような光景だ」

ニシキヘビの爆発的な増加を抑えるのに苦慮

研究者たちによれば、シカを丸呑みしたニシキヘビは彼らが観察した中で最も体が小さかった。研究ではこのほかに2匹のニシキヘビを捕獲して口の開き(口を最大限に開けた時の大きさ)を測定している。

測定の結果、3匹とも体長は4.5~5.8メートルで口の大きさは直径約25センチ、外周は約80センチだった。これまでに観察されていたニシキヘビの最大開口サイズである約22センチを上回っている。

研究者たちは長年、フロリダ州におけるニシキヘビの個体数の制御に取り組んできた。アジア原産のビルマニシキヘビは1979年に初めてフロリダ州のエバーグレーズで目撃されて以降、個体数が爆発的に増加して同地域の生態系を破壊しつつある。ニシキヘビはほかの動物に捕食されることがない最上位捕食者とされている。

フロリダ州ではニシキヘビの個体数を減らすための一つの方法として毎年「パイソン・チャレンジ」を開催している。参加者が「ヘビ狩り」をするイベントで、ヘビを捕獲した人には現金で2万5000ドル超の賞金を得ることができる。今年のチャレンジは8月9日から18日にかけて実施された。

エバーグレーズでこれまでに目撃されたニシキヘビの中で最も大型の部類に入るのは、2022年に捕獲された体長約5.5メートルのニシキヘビだ。このヘビはメスで捕獲された当時は体内に122個の卵があり、体重は約97キロだった。

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