今年のノーベル賞はAI(人工知能)に関する研究が相次いで受賞しました。私たちの身のまわりにも関わり始めたAI、実用化に向けたユニークな取り組みを取材しました。

■ノーベル賞で開発者が相次ぎ受賞

 進歩を続けるAIは、人々を驚かせ続けています。

 ノーベル物理学賞、化学賞の2部門で、AIに関する研究が異例の連続受賞を果たしました。

 このうち化学賞では、AIを利用し、タンパク質の立体構造を予測する技術などを開発した3人が受賞。がんの治療薬の発見などに役立てられています。

■ここまできたAIの実用化

 日本でも、AIの実用化に向けた開発が進んでいます。

JVCケンウッド イノベーションデザインセンター 荒瀬貴之主任
「今、我々の会社が試作中だが、AIアシストイヤホンというものを開発中」

 一見すると、街でよく見るワイヤレスイヤホンですが、このどこにAIの技術が詰まっているか、皆さんは分かりますか。

 実は、カメラが内蔵されたイヤホンなんです。このカメラを使って様々なものをAIが読み取るのです。

 例えば、スーパーのチラシをカメラに見せると…。

音声
「バランスのとれた和風煮物を提案します。ピーマンとホウレン草を使って、栄養たっぷりの煮物を作ることができる」

 AIがチラシの食材を一つひとつ読み取って、献立を考えてくれました。献立のみならず、詳しいレシピも教えてくれます。

 カメラ付きイヤホンの用途はこれにとどまりません。

荒瀬貴之主任
「人の顔は分かるが名前が分からない時、AIが教えてくれる」

 この技術は、15日から始まるITの見本市「CEATEC」に展示されます。

 可能性が益々広がるAI。自分でも気付かない感情を教えてくれる技術も登場です。

 明かりが消された空間に浮かび上がる駒見アナ。すると…。

音声
「あなたの心の闇を暴き出します。言葉ではあなた自身を偽ることはできますが、あなたの脳は嘘を付きません」

 モニターに映し出された映像と文章を見て心に抱いた感情を、頭に付けた脳波デバイスが検知。そのデータを元に、音楽と映像を自動で生成します。

画面の表示
「あなたの心の奥底は純真ではありますが、人に対して粗探しをするところがあります」

 この技術は、東京芸術大学の後藤准教授が開発しています。

東京芸術大学 音楽環境創造科 後藤英准教授
「最終的には発達感情障害の患者の治療に役立てられないか」

 感情表現の得意でない人の心の中を読み取ることなどに役立てたいといいます。1年から2年先の実用化を目指しています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。