証券大手5社の決算が出そろい、株高の恩恵を受けて、いずれも好調な業績が示されました。
■新NISA開始…顧客の裾野が拡大
34年ぶりの史上最高値更新にわいた株式市場 この記事の写真34年ぶりの史上最高値更新にわいた株式市場。先月30日に決算を発表したSMBC日興証券は最終的な利益が、前の期の398億円の赤字から一転、162億円の黒字に転換しました。他の4社も利益が大幅に増えています。
株高を背景に株式や投資信託の売買に伴う手数料収入が伸びた各社とも株高を背景に株式や投資信託の売買に伴う手数料収入が伸びたほか、1月から新NISAが始まったことで顧客の裾野が拡大しました。
ただし、いくら収入が伸びたといっても、前回最高値を付けたバブル期の水準には遠く及びません。
その大きな要因が…。
40代「ネット証券にした理由は、手軽にできて手数料も安いからです」 20代
「やっぱり安い方がいい」 国内株の売買手数料「ゼロ」の2社
かつて、手数料を主な収入源にしていた証券会社。しかし2000年代に入ると、実店舗をもたないインターネット証券が主導する形で手数料の引き下げが急速に進みます。
去年秋にはSBI証券と楽天証券が、ついに国内株の売買手数料「ゼロ」に踏み切りました。
コスト意識に敏感な個人投資家はそうしたネット証券に流れ、手数料で稼ぐビジネスモデルは崩れつつあるのです。
40代「大昔に口座を開設した時は、直接証券会社に行って丁寧に教えてもらえたので、そういった利点はあるのと、相談しながら理解できたので、その点では良かったなと思うんですけど、そこで少し知見を得たので、今はネット証券の方が楽だなと思う」
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■今後のビジネスモデルは…?■今後のビジネスモデルは…?
ニッセイ基礎研究所 井出真吾主席研究員専門家は、ネット証券とすみ分けを図り、富裕層を対象にしたビジネスモデルの確立が急がれると指摘します。
ニッセイ基礎研究所 井出真吾主席研究員「売買の手数料ではなくて、お客さまから資産を預かる資産管理型のビジネスに転換していくということがカギになるかと思います。富裕層っていうのは、例えば1人のお客さんが1億円とか10億円とかまとまった資産を預けてくれるので、その分、人手をかけずに証券会社の収入が得られやすい」 日本の大手証券会社にも今後、同じ様な取り組みが求められそうだ
海外には、すでに富裕層の資産管理に重点を置いて桁違いの利益を生んでいる証券会社がいくつもあり、日本の大手証券会社にも今後、同じ様な取り組みが求められそうです。
(「グッド!モーニング」2024年5月1日放送分より)
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