樹木が伐採されているのは青森市東部で住民の散歩コース、そして文化スポットとして親しまれてきた「文芸のこみち」です。
なぜ、伐採が必要なのか、その理由と住民の思いを取材しました。
どうして?樹木が伐採される「文芸のこみち」
8月中旬から樹木が伐採されているのは、青森市東部で住民の憩いの場所となっている「文芸のこみち」です。文芸のこみちは、堤川の東側の遊歩道約400mで、緑に包まれた散歩コースとなっています。
さらに、青森市にゆかりの深い「棟方志功」や「太宰治」などの文芸碑が設置されていて、文化を感じられる場所としても人気です。市は、その木々の多くを根元から伐り、整備することにしました。
伐採エリアの住民
「寂しいのが一番。朝に起きて遊歩道を見て、本当に寂しい…」
一方で、住民の中には、市の判断に理解を示す声も上がっています。
伐採エリアの住民
「ものすごく生い茂って、枝が電話線にかかっていた。そのことが心配で、去年から青森市へ相談していたが、全然解決できなくて心配していました。そしたら伐ってくれたので、危惧はなくなりました」
伐採には“きっかけ”があった
伐採されるのは「文芸のこみち」の遊歩道の4分の3ほどと、道路をはさんで反対側のエリア、あわせて530mほどです。きっかけとなったのは、この場所で2023年10月に倒木があったことでした。
木の高さは10m以上ありましたが、遊歩道上に倒れたため、けが人や住宅への被害はありませんでした。これを受け、青森市は今年度、約780万円の予算で整備することを計画しました。
青森市公園河川課 嶋守亮 課長
「高い木は、このエリアで高さ18m。建物だと5~6階の高さまで成長しています。実際に倒れてきた場合、かなり被害も想定されますので、遊歩道の利用者の安全性を考慮して伐採することになりました」
もう1つ、市があげているのは植樹から40年以上経ち、管理が次第に難しくなってきていることです。
もともとは『東北本線の線路』として利用されていた
この場所は、もともと東北本線の線路として利用されていました。線路は堤川の東側では、国道と並走するように走っていましたが、1968年に南側へ移され街の様子は大きく変わります。
線路の跡地は、堤川周辺と造道小学校東側のあわせて4.5キロを市が遊歩道として整備しました。その工事が行われたのは、1972年~84年にかけてです。木々は、いまでは大きく成長し、住宅と隣接した場所に植えられたものは枝が屋根に覆いかぶさるように伸びていました。
伐採エリアの隣の住民
「屋根に落ち葉が溜まる。夫が屋根に上って片づけていた。もう年だから危ない。本当に困る。伐ってほしい。来年でもいいですけど…」
ただ、地元の住民からは、こんな“本音”も漏れ聞こえてきます。
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