アールヌーボー時代の画家で、カラフルな絵画で知られるミュシャの世界がモノクロでよみがえります。横浜市在住の倪瑞良(にい・みずよし)さんが作った驚きの作品が、岡山市北区で展示が始まりました。
白と黒の表現だけで情感あふれる女性の絵。1ミリにも満たない緻密な線で表現されています。
(記者)
「すご~い」
こちらの作品、実は…
(記者)
「え、大丈夫ですか!?」
(西陣織国際美術館 米原新三副館長)
「はい!」
(記者)
「すごい!いや、怖い、怖いです!ちぎれちゃいそう…!」
なんと、一枚の紙から作られた「切り絵」です。
岡山市北区で始まった「切り絵・ミュシャの世界」展。作品を手掛けたのは、横浜市在住の切り絵作家・倪瑞良さんです。会場には、女性をモチーフにした切り絵など16点が並びます。
(西陣織国際美術館 米原新三副館長)
「普通のデザインナイフ1本で、1本で切り分けています。見事です」
倪さんの作品の特徴は、背景の装飾や衣装にも見られる、緻密でしなやかな曲線。
影響を受けたというのが、画家アルフォンス・ミュシャ。19世紀末に花開いた「アールヌーボー」の頂点と言われています。倪さんは、その作品を研究し、50年かけて「切り絵界のミュシャ」といわれる独自の作風を確立しました。しかし…
(西陣織国際美術館 米原新三副館長)
「見せない、売らないをモットーに。100年後に認知されたらそれでいい。」
これまでは、自宅で眠ったままだった約150点の作品。倪さんの作品の魅力を多くの人に知ってもらいたいと京都府の美術館が説得し、今回の企画展が実現しました。
(来場者)
「本当に素敵。集中力がないとこれだけのことはできないですよね。1本間違えたら、ねぇ」
(西陣織国際美術館 米原新三副館長)
「実際に近くに来て本物を見てもらえたらこの素晴らしさが分かると思う」
一枚の紙を繊細な線で切り出すことで生まれた、華やかな世界。会場で楽しめるのは「切り絵のミュシャ」倪瑞良さんの「かみわざ」です。
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