北海道の養鶏場で今シーズン初めて鳥インフルエンザが発生。去年は感染が広がり、卵の価格が高騰しましたが、再び“エッグショック”が起きるのでしょうか。
■今季初「鳥インフル」 ヒトが感染するとどうなる?
加藤シルビアキャスター:
今シーズン初めて鳥インフルエンザが確認されたのは、北海道厚真町の養鶏場です。
16日、約120羽の死んだニワトリが発見され、遺伝子検査などで鳥インフルエンザA型の陽性が確認されました。養鶏場での確認は今シーズンで全国初めてだということです。
北海道はこの養鶏場が飼育する全ニワトリ約1万9000羽を殺処分したということです。
鳥インフルエンザとは、どういった病気なのでしょうか。
鳥インフルエンザを持ち込んでくるのは渡り鳥です。渡り鳥からカラスなどに感染し、何らかの原因で養鶏場のニワトリに感染するということです。乾燥したフンなどが舞い上がって養鶏場などに入り感染してしまうこともあるそうです。10月下旬から5月頃に流行するといいます。
鳥類が感染すると、神経症状・呼吸器症状・下痢・産卵の低下などがみられるそうです。
ヒトが感染すると、通常のインフルエンザとよく似た、38度以上の発熱・せき・下痢・筋肉痛・頭痛などの症状があるということです。(鳥インフルエンザA〔H5N1〕)
ただ、ヒトが感染するのはごくまれだということです。
養鶏場ではどのような対策をとっているのでしょうか。
茨城県小美玉市にあるホウトク農場の豊村三弘社長によると、▼消石灰を散布して鶏舎周辺の消毒、▼鶏舎に入るタイヤ・靴のこまめな消毒、▼鶏舎間の往来を極力減らすことで、(ウイルスを)持ち込まないよう徹底しているということでした。
井上貴博キャスター:
本格的に渡り鳥がウイルスを持ち込むリスクが高まるシーズンの前の段階で発生してしまったということです。
卵は物価の優等生と言われがちですが、その状況を守るために、いかに関係者が努力を続けているのかというのがわかりますね。
ホラン千秋キャスター:
ただでさえ飼料や燃料費が高騰する中で、万全の対策をとっているのにもかかわらず、毎年のように鳥インフルエンザが各地で起きてしまうとガクッときてしまうだろうと思います。
■「“エッグショック”再来の可能性も」卵の価格への影響は?
加藤キャスター:
今後、卵の価格への影響も気になるところです。
東京の卵Mサイズ(1kgあたり)の価格は、2022年の10月に発生した鳥インフルエンザの影響が大きく、長引きました。2023年の4・5月は1kgあたり350円と過去最高値となり、“エッグショック”といわれたのも記憶に新しいのではないでしょうか。
その後、だんだん値段は落ち着いてきましたが、最近はニワトリの“暑さバテ”や“月見商戦”などの影響もあり、10月は平均で1kgあたり272円だということです。(JA全農たまご調べ・10月は17日までの平均値)
2023年の卵不足の際は…
・森永乳業 焼きプリン 30円値上げ(2023年7月)
・キユーピー マヨネーズ(450g) 475円→520円に値上げ(2023年4月)
・崎陽軒 炒飯弁当 一時販売休止(2023年3月)
といった影響がありました。
今後の鳥インフルエンザの影響について、元東京農業大学教授の信岡誠治氏は、「今後鳥インフルエンザの感染が広がるかどうかはわかりませんが、感染が拡大した場合、卵が高騰する“エッグショック”が再来する可能性もある」としています。
井上キャスター:
日本は大体1人当たり1日1個弱の卵を消費しているといわれていて、世界的に見てもメキシコに次いで卵の消費量が多い国だということです。日本は、卵の価格が高騰するとダメージを受けやすい国だとわかりますね。
ホランキャスター:
卵そのものとして食べたり、さまざまな食品に加工されたりして本当に食卓を支えてくれているので、生産者も大変だと思いますが、エッグショックになったら、(消費者も)また一つ不安なことが増えますね。
井上キャスター:
これからクリスマスの時期ですし、ケーキ店などにもダメージが出そうです。
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