郷土芸能「鬼剣舞」発祥の地として知られる岩手県北上市にある、「鬼」をテーマにした博物館で、京都に出没して恐れられた鬼「酒呑童子」をテーマにした特別展が行われています。

北上市の「鬼の館」は日本でも数少ない「鬼」をテーマにした博物館です。
開館30周年を記念して行われているこの特別展は、京都府福知山市にある同じく「鬼」をテーマにした博物館、「日本の鬼の交流博物館」から資料を借りて行われているものです。

会場には、京都府北部の大江山をすみかとし、たびたび京の都に出没した鬼、「酒呑童子」の逸話にまつわる資料およそ100点が展示されています。


酒呑童子は、伝説では京の都から貴族の娘をさらうなど、悪いキャラクターとして伝えられています。

そして、伝説の最後では源頼光が率いる4人の家臣を屋敷に招き、酒を飲みすぎて眠ったところで首を斬り落とされてしまいます。

ところが、酒呑童子の地元である福知山市では、「酒呑童子の供養塔」が建てられるなど、地元の人たちから親しみを持たれていたと思われる側面も見られます。

鬼の館の学芸員、沢藤浩司さんは「北上市では、鬼は災難から人々を守ってくれるとして頼りにされていた存在です。『酒呑童子』も供養塔を建てるということは、地元の人たちから親しまれていたと思われる。ひょっとすると、福知山の鬼(酒呑童子)と北上の鬼には共通点があるのではないか」と話しています。

「酒呑童子展」は20日まで行われています。

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