15日に公示された衆議院選挙。10月27日の投開票に向け、12日間の選挙戦がスタートしました。

■衆院選「公示」選挙戦開始 10月17日投開票

良原安美キャスター:
新内閣発足から戦後最短での解散となり、衆院選が15日に公示され、12日間の短期決戦が始まります。

井上貴博キャスター:
自民・公明両党で過半数が取れるかどうかが最大の注目ポイントになりそうです。または、立憲民主党など野党が盛り返すのでしょうか。

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
公示日を迎え、各党が街頭で第一声を上げました。第一声は“一番最初の訴え”ですから、どこで行うかなども考えていると思います。

東京のターミナル駅など、多くの人が集まる場所で行う党が多いですが、あえて東京を離れて地方で話した人もいるなど、それぞれの考えがありましたね。

政治とカネの問題がきっかけになった選挙ですが、▼物価高対策の税金問題、▼外交問題、▼憲法の問題など、党によって話すことは違いますので、有権者の皆さんは、ぜひ聞き比べたり、見比べたりできるといいなと思います。

■今回の衆院選から“10増10減” 過去最大の区割り変更

良原キャスター:
今回の衆院選は前回と異なる部分があります。まずは「小選挙区の区割り変更」です。2022年12月に“1票の格差”是正のため改正公職選挙法が施行され、今回からいわゆる「10増10減」が行われます。

【今回の衆院選から“10増10減”施行】
<10増>
・東京(+5)
・神奈川(+2)
・千葉、埼玉、愛知
<10減>
・宮城、福島、新潟、滋賀、和歌山、岡山、広島、山口、愛媛、長崎

他にも合わせて25の都道府県で140選挙区の区割りが変更になり、この数は過去最大ということです。

■変化する“SNS戦略” 興味を持ったら関心を広げて

さらにSNS戦略も大きく変化しています。

2013年、選挙期間中のインターネット等を利用する選挙運動が解禁されて以降、SNSを活用する選挙運動が本格化し、都知事選や総裁選でもSNSを活用する候補者が多くみられました。

選挙コンサルタントの鈴鹿久美子氏によると、「若者~50代が見慣れているショート動画で政策を訴える政党が多い。選挙カーで候補者名を連呼するように動画を何度も見てもらい、政治に興味のない層にも覚えてもらう戦略」だということです。

実際にYouTubeに投稿された60秒以下のショート動画の投稿数は増えています。2021年の衆院選での投稿数は2本でしたが、今回の衆院選での投稿数は63本です。(解散日~衆院選公示日前日 Nスタ調べ)SNS戦略はより活発化していきそうです。

井上キャスター:
公示後は放送法の関係でテレビでの選挙報道がどうしても減ってしまいます。そこで主戦場になるのがネットやショート動画で、無党派層や若者をどう取り込むか、各党が本腰を入れてきたと感じます。

岩田 政治部長:
スマホを使っている皆さんにとって最初の入口になりますし、興味を持つというところでは政党と有権者、お互いに良いと思います。

ただ、60秒以下のショート動画では短い時間で、どうしても限られてしまう部分があります。

ある種、各党の言いたいことが宣伝的に出ている部分もあると思いますから、興味を持ったらぜひそこからもう少しいろいろ調べてみたり、各政党の政策集を見たり、パンフレットもネットで見ることができますので、何だろうと思うことがあったら、さらに関心を広げてみるといいのではないでしょうか。

ホラン千秋キャスター:
パンフレットやマニフェストを隅から隅まで見られたら良いのですが、仕事や学校などもあり全政党を見ることができないという人も多いと思います。

アピールしたい部分が流れてくるとはいえ、街頭で10分20分足を止めて話を聞くのが難しいという方も、ショート動画で情報に触れることができるので、現代ならではだなと感じます。

岩田 政治部長:
おそらく、これから街頭演説自体もどんどん投稿されていくのだろうと思います。

街頭演説がいつどこであるのが調べるのが大変だったり、仕事や学校で行くことが難しい場合もあるので、ネットで見るだけでも各党の主張がわかってくるところはあると思います。

■誰に投票したらいい? 自分の考えに近い政党を教えてくれるサイトも 

良原キャスター:
各党の政策などをチェックする時間がない、どこに投票したらいいのわからないという人に向けてのサービスがあります。

「JAPAN CHOICE」の「投票ナビ」は、15の質問に答えると自分の考えに近い政党がわかるというサイトです。

質問項目としては、▼物価上昇に対して政府はどのような対応をとるべきか、▼政治資金規正法についてどう考えますか?、▼選択的夫婦別姓制度導入についてどう考えますか?といった内容です。

質問に対していくつか答えの選択肢があり、それぞれの答えを選ぶと、最終的に、結果(イメージ)がグラフになり、自分の考えに近い政党がわかるようになるということです。

衆院選の各政党の公約などを反映するため、10月18日に公開を予定しているといいます。

サイトを運営するNPO法人「Mielka(みえるか)」は大学生と高校生40人で主に活動していて、▼国会議員と対談や、▼選挙について中高生に授業などを行っています。

社会や政治のことを『自分ごと』として身近に考え、若者の投票率向上を目指しているということでした。

井上キャスター:
さまざまなサイトがあるそうなので、活用してみていただきたいです。

今回の選挙は、強い野党が生まれるのか、政治の緊張感が生まれていくのかがポイントともいえそうです。重要性は何なのでしょうか。

岩田 政治部長:
いろいろな政策がありますが、大きな意味では今の与党に引き続き政権を任せたいと思うのか、それとも変わってほしいと思うのか、有権者の判断も問われていると思います。

石破総理は「国民の納得と共感を得たい」と説明していますが、それに対して私たち有権者は納得できるのかどうかを示すのは投票しかありません。

投票日まで12日ありますので、情報を得て判断をして、投票に行くことがとても大切です。

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<プロフィール>
岩田夏弥
TBS報道局 政治部長 元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当

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