福島県内を襲った台風19号から、12日で5年です。被害の大きかった郡山市では、独自の取り組みで災害に備える地域があります。
5年前に県内を襲った台風19号とその後の大雨は、各地に甚大な被害をもたらしました。このうち、地区一帯が浸水した郡山市水門町では、男性1人が逃げ遅れ、遺体で発見されました。
関根佑記者「水門町の町内会では、行政の基準よりも早めの避難を心がけています。例えば、避難準備の段階では住民が避難を開始、避難勧告の段階では避難を完了しているという町内会独自の基準を設けています」
水門町は、郡山市内を流れる阿武隈川と谷田川にはさまれた地区で、これまでに何度も水害が発生しています。こうしたことから、町内会では、水害に対応するための独自の取り組みを行ってきました。
例えば、台風や大雨により近くを流れる阿武隈川の水位が上がった場合、行政がその水位に応じて「避難準備」「避難勧告」「避難指示」の順で避難情報の目安を定めていますが、水門町では「避難準備」のタイミングで避難を開始し、早めの避難を心がける意味の「避難勧告」の時には、避難完了を目指す独自の基準を設けています。
しかし、5年前の台風では、日中仕事に出かけていた住民の男性1人と連絡がつかず、その男性は、夜中に帰ってきたものの、その後、逃げ遅れて犠牲になりました。
こうした事態を防ぐために、台風19号の被害後、もともとあった連絡網に加えて、町内の各班の代表が、緊急時に連絡がつく携帯電話番号を把握して、情報の共有を行う体制を整えました。
いつ発生するかわからない災害。行政の対策だけではなく、地域で協力して防災に取り組むことが今後求められます。
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