衆議院は9日解散し、事実上の選挙戦に入ります。今回の衆院選について専門家は、「政治とカネ」の問題と「被災地の今後」が争点になると指摘しています。
争点:「政治と金」
東北大学 河村和徳准教授:
「(争点として)大きいのは「政治とカネ」。改革すると言っただけでは有権者はなかなか納得しない。具体的な改革案を打ち出せるのかどうかがポイント」
政治や選挙に詳しい東北大学の河村和徳准教授は、「政治とカネ」の問題に関し、自民党だけではなく制度改革が出来なかった野党にも責任があるとし「改革案の有無や具体性」が重要だと話します。
争点:「被災地の今後」
宮城県内では今回の衆院選から区割りが変わり小選挙区が6から5に減ります。河村准教授は区割り変更後も「県内5つの小選挙区全てが沿岸被災地を抱える」として国からの支援が減っていく「被災地の今後」のあり方が重視されると指摘します。
東北大学 河村和徳准教授:
「国会議員が『復興のために地域のパイプになる』と言っても、パイプは細っていくことになる。どういう立ち振る舞いができるのか、というところが争点になってくる可能性は高いのかなと」
一方、選挙区が抱える地域の問題は多岐に渡っていて特に宮城4区は「日本の縮図のような選挙区」になっているといいます。
東北大学 河村和徳准教授:
「4区というのは、都市化が進んでいる地域もあれば、過疎化が進んでいる地域もあり、被災地もあり、ブランドを作っているように、地域振興も問われている。日本全体の課題になってるものを全部抱えている。ある意味、日本全体の選挙の動向を考える上で貴重な選挙区」
新型コロナで変わる選挙戦
また、選挙の戦い方については「コロナ禍を経た見直しが必要」と指摘します。
東北大学 河村和徳准教授:
「新型コロナで選挙戦が変わりつつある。要するに、組織だけに偏りすぎても、若い人にアプローチできない。街頭演説だけ盛り上がって、『続きはウェブで』というやり方にした石丸さんに票が流れた都知事選もある。『組織選挙』と『街頭演説』と『ネット選挙』をどううまく使っていくか。そこのウェイトを見直していく必要がある」
しかし、短期決戦となる今回の衆院選は「ネット選挙運動に悪影響を与える可能性がある」とも指摘します。
東北大学 河村和徳准教授:
「ネット選挙運動というのは、仕掛ける前にどれだけフォロワーを集められるか。支援者が見てもらえる環境を整えるかがポイント。付け焼刃のようなネット選挙運動は、今回急な解散というのもあるが、機能しない」
また、河村准教授は石破総理について、「党内基盤がぜい弱で総裁選も接戦で勝ったため、党内や世論の顔色をうかがって動いている。今の状態をもって「ブレている」と言われるのは仕方がない部分があるが、石破総理の政権運営にとって今度の衆院選が試金石になる」と話していました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。