やってきたサンマの季節。去年より水揚げ量も増え、秋の味覚を楽しんでいる方も多いと思いますが、今後、身が痩せていくおそれがあるといいます。なぜなのでしょう。
炭火焼きのいい~匂いが、会場に漂います。
10月5日に開かれた「根室さんま祭り」。
旬の味覚を味わおうと、大勢の人たちが詰めかけました。
・来場者
「(ことしのサンマはどう?)おいしい」
「地元で食べるのがおいしい」
・さんま祭り実行委員会 石垣浩一副実行委員長
「漁期が少し早まったのと、漁場が昨年よりも若干近くにできたことから、昨年よりはたくさんとれている」
近年、不漁が続くサンマですが、2024年は1000トンに迫る水揚げの日もあるなど好調。脂ものっているという声があがる一方で。
・来場者
「(昔のサンマと比べると)ちょっと小ぶり」
以前に比べ、「痩せている」というのです。その理由が。
・北海道大学水産科研究院 山口篤准教授
「これがネオカラヌスです」
サンマが「これしか食べない」というほどの主食であるプランクトン、「ネオカラヌス・プルムクルス」の生態を調べた、北海道大学の山口篤准教授です。
北海道大学 水産化学研究院 山口篤准教授
「このネオカラヌス・プルムクルスは(水温)7℃が頭打ちで11℃になると住めない」
「4℃、5℃高い、平年に比べて。ほとんどが赤い日本の周りは」
背景にあるのは温暖化。
サンマがとれる北太平洋では近ごろ、平年より高い水温が5日以上連続する「海洋熱波」という状況が続いています。
一方で、主食のプランクトンは、温かい海水が苦手です。
山口准教授らの研究では、このプランクトンは、海水温が高いと快適な温度を求め、サンマが住めない水深20メートルより深くに潜ってしまうことがわかりました。
サンマの住む海域で、エサがなくなっていく状況が進むというのです。
北海道大学 水産化学研究院 山口篤准教授
「以前のような餌環境にないと考えると、あまり大きくなれないのだろう」
サンマの脂ののり方は、「ほとんどが脂肪分」という、このプランクトンをどれだけ食べられたかによって決まるといいます。
痩せていくサンマは、地球温暖化の裏返しでもあります。
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