車を運転していると、何気なく見ている信号機。
青色なら進入可で、赤色なら止まれの意味だということは、だれしも常識的に知っているはずです。
では、赤色信号で青色矢印の場合はどうでしょうか。
例えば、赤色信号で青色の左矢印が表示されていた場合、もちろん左折可ではありますが、なんとなく他の車両が来ない、と思っていませんでしょうか。
正面の信号が青色矢印信号を示していても、対向する車線以外の車線で青色信号や青色矢印信号が示されていて、同時に進行し、交差点内で交差する場合がある状態を「青青信号」と呼ぶのだそう…。
事の発端は、今から約11年前の2013年にさかのぼります。
2013年7月、兵庫県神戸市内のとある交差点で事故が発生。K字の変則的な四差路の交差点で発生したもので、右折する大型トラックと、左折する軽自動車が衝突する車両同士の事故でした。
ただ、右折する大型トラックの正面の信号が青色を表示するのと同時に、左折する軽自動車の正面の信号も赤色信号で左折可の青色矢印信号を表示していて、同時に進行可となる状態――、いわゆる「青青信号」での事故でした。
この事故で、右折していた大型トラックの運転手が起訴されましたが、神戸地裁は「信号周期の設定に不備があり、被告の注意義務は認められない」として、大型トラックの運転手に無罪判決を言い渡すとともに、この「青青信号」の信号制御については、設定に不備があるとして信号周期を改めることを求めました
神戸地裁は、この「青青信号」を「信号の制御不備」と認めたわけです。
事故から10年以上経過も、未だ残る「青青信号」
2013年に発生した事故現場の「青青信号」は既に廃止され、現在は矢印信号が取り外された状態となっています。そして、兵庫県内に5箇所あった「青青信号」も廃止されたとのことです。
ですが、これはあくまで兵庫県内の話。
実は、愛媛県では2024年現在でも、この「青青信号」が残っています。
それが愛媛県松山市の中心部にある「北藤原交差点」。多くの車両、人が行き交い、相当の交通量がある交差点です。
この交差点は、カタカナの「オ」の字のような形状の5差路です。
※右折する車両を正面から見るように、南北を逆にした画像にしています。
この交差点で、南西方面から進入し西側又は北側に左折しようとした場合と、北方面から進入し、交差点で右折しようとした場合とが同時に可能となることで、交差点内で交差が発生します。
【記事を最初から見る】
【左折側】まず、南西方向から車をはしらせたときは…
もう少し詳しくみてみます。
まず、南西方向から車をはしらせると、指定方向外進入禁止の標識で、左方向(北か西)にしか進行できない交差点だとわかります。ただ、左折の進行方向は奥側(北)と、手前側(西)の2種類あります。
そして、南西方向から車をはしらせたときに見える信号は、黄色信号を除くと、
A.赤信号
B.赤信号に左折可の青矢印信号
の2種類です。つまり、進行可なのは、Bの左折可のタイミングのみです。
このBの信号での左折は、奥側の北方向と、手前側の西方向の2種類の方向に左折することができます。
【記事を最初から見る】
【右折側】次に、北方面から車をはしらせたときは…
続いて、北方面から車をはしらせたときに見える信号は、黄色信号を除くと、
A.赤信号
B.赤信号に、左折可と直進可の青矢印信号
C.青信号
の3種類です。つまり、右折は、Cのタイミングでしか行うことができません。
このCの「青信号」での右折は、奥側の南西方向と、手前側の西方向の2種類の方向に右折することができます。
なお、Cの「青信号」のタイミングでは、対向車線となる南方面から見ると赤色信号の表示となっています。
【記事を最初から見る】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。