夏場の水分補給に「スポーツドリンク」や「経口補水液」を飲むという方も多いと思います。この2つの違い、何かわかりますか?
福島県立医大の前島准教授によりますと、「スポーツドリンク」は運動や作業をするときに飲むもので、糖分が多く含まれているため、疲労回復などに効果があります。
一方で、「経口補水液」は脱水症状を起こした時に、吸収率や吸収速度を高めるために飲むと良いとされています。糖分が多いスポーツドリンクに比べて、塩分が多く含まれています。状況に合わせて選ぶ必要があります。
そして、飲む時に注意したいのが、これらの「がぶ飲み」です。
経口補水液をがぶ飲みすると…
経口補水液のラベルには「医師から脱水症の食事療法として指示された場合にお飲みください。医師、薬剤師、看護師、管理栄養士、登録販売者の指導に従ってお飲みください」という表示があります。脱水症の症状がない、特に心臓や腎臓の疾患を持つ人は、塩分の過剰摂取には注意が必要です。
スポーツドリンクをがぶ飲みすると…
一方、スポーツドリンクには、500ミリリットルに糖分が30グラム含まれていて、これは角砂糖8個分にもなります。そこで心配になるのが「ペットボトル症候群」です。
福島県立医大・前島裕子准教授「ペットボトル症候群は『砂糖依存症』と置き換えても良いと思います。次の砂糖、次の砂糖と依存が形成されていく」
のどが乾いたとき、糖分の入った飲み物を大量に飲むと、血糖値が上がります。血糖値が上がると再びのどが乾き、糖分の入った飲み物をさらに飲んでしまうことで、血糖値の高い状態が保たれてしまう悪循環が起きます。
血糖値が急上昇すると、血糖値を下げるインスリンも大量に分泌されるため、倦怠感やイライラを感じることも。最悪の場合、糖尿病を引き起こす可能性もあるといいます。そうならないためには、糖分を含まない飲み物を意識的にとることが大切だといいます。
前島裕子准教授「毎回甘い飲み物を飲むのではなく、お茶、麦茶、水に置き換えるとか。ぬるくなったコーラはすごく甘く感じますよね。『冷たい飲み物は甘く感じにくい』ということも認識して飲んでほしい」
ペットボトル症候群は倦怠感やイライラ感に繋がって、最悪の場合、糖尿病になるおそれもありますので、自分の身体の状態をみて、水分のとり方には十分注意して、暑さ対策を行いましょう。
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