県外で活躍する青森県民を紹介するターニングポイント。人生の転機となったそのとき、どのような思いや決意があったのか。
第85回のストーリーは、青森市出身・齋藤ひとみさん。東京・世田谷区三軒茶屋にある青森のリンゴを使ったアップルパイの専門店『komamo』を経営しているオーナーです。
アップルパイが嫌いだった齋藤さんが、専門店を開いたワケとは―。
りんごは好き…でもアップルパイは嫌い 好奇心旺盛な少女が母となり…
齋藤さんは、幼少期から好奇心旺盛で、人の世話をやくのが好きな子どもだった。
齋藤ひとみさん
「わりとリーダー肌で、けんかをしている子たちがいると、それは男子であろうが中に割って入ったりとか男の子勝り」
家ではとにかくりんごをよく食べた。ただ、アップルパイだけは嫌いだった。
齋藤ひとみさん
「パンなのかデニッシュなのかよくわからないボソボソしたような生地がいっぱいというアップルパイがちょっと嫌いだったんですね。2つ目に嫌いなのが中身のリンゴの量が少ないこと。最大に嫌いだったのが、そのりんごの果肉がベチャベチャしていること。アップルパイというものを口にしてきたことがないんです」
人の世話をやくことが好きで、中学・高校はマネージャー。
社会人になってから働いたのは弘前の結婚式場。
自身も結婚や離婚を経験しつつ、何よりも好奇心旺盛でイベント会社を立ち上げた。
齋藤ひとみさん
「商売っていうものが小さいときから嫌いじゃなかったんですよね。若気の至りですよね。自分にはできるっていう思いで、やってみようかなっていうふうに動いたんだと思うんですけど」
その間に再婚。子どもが生まれたことで一度は仕事を休んだが、再び保険の外交員として働き始める。
ところが、病弱だった子どもときちんと向き合うために長年働いた保険会社を辞め、マッサージ師の資格を取り自宅で開業。
しかし、マッサージ師として働きすぎたことで腱鞘炎になってしまう。仕事に危機感を覚え始めたとき、子どもたちの一言で助けられる。
“シフォンケーキを食べたい”納得いかず『ママが作ったら』人気商品に!
齋藤ひとみさん
「マッサージをして3年くらいした頃に私も腱鞘炎になってしまって、『どうしよう、このままじゃ仕事できないぞ。子どもたちを育てられないぞ』ってなったときに、子どもたちが“シフォンケーキを食べたい”っていう話になって、いろんな所から買ってきたんですけど、納得いかないから子どもたちが『ママが作ってみたら?』っていう話になって―」
シフォンケーキを自宅で1日10個限定で販売。さらに、物産展に出せるほどの人気の商品になったが、お客さんから『青森ならアップルパイは?』と問われることが多くなり悩んでいたところ、また子どもから助言をもらう。
『ママ好みを作ったら』の一言で一念発起!店名は3人の息子の名前から
齋藤ひとみさん
「(お客さんに)『なんでアップルパイ作らないの?』って言われるんだけど『ママ、アップルパイ嫌いだからな』って話ながらみんなでおやつを食べていたら『じゃあママ好みを作ったらいいんじゃない?』って子どもたちがまだポンって言って出来たんですよ」
試行錯誤し、独学で生まれたのが今のアップルパイ。
息子の大学進学と一緒に自身も上京し、開業。
「komamo」という店名は、3人の息子たち(こうき・まるた・ももたろう)の名前の頭文字から付けた。
齋藤ひとみさん
「やっぱり、子どもたちからもらえるエネルギーっていうのは強いですよね」
来店客
「おいしいです」
「りんごの酸味がすんごいおいしい」
りんごが主役のアップルパイは、家族で作った光。
齋藤ひとみさん
「まず青森の魅力を教えたい。青森のおいしいものを教えてあげるっていうのが、今私が一番やらなきゃいけないかなっては思っている。青森って(人の心が)あったかいなって思うので」
青森テレビ「わっち!!」月~金曜夕方4時25分
「Turning Point」2024年7月23日(火)放送回より
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。