能登半島地震による液状化で、建設会社などには傾いた住宅の修復工事の依頼や問い合わせが増えています。今後さらに本格化していく液状化した家の修復工事、あるお宅を取材しました。

高岡市の住宅では…。

今月13日、液状化で傾いた住宅を修復する工事が行われていました。

能登半島地震による液状化被害が深刻な高岡市横田町2丁目。

築27年の安吉さんの住宅では、地面から地下水や砂が噴き出し、建物が傾きました。被害認定は「準半壊」で、家の傾きは最大8センチでした。

地盤改良ができて圧力によって建物が上昇

安吉佐知恵さん:「きれいに傾いてるだけじゃなくて、こっち側に行くこっち側に傾いていたり、その場所によっていろんな方向に…大丈夫慣れてきたかなと思ったら、ふいに気持ち悪くなる時とか頭痛がする時とか」

安吉さんは3月上旬に工事を発注、今月11日から工事が始まりました。安吉さんのお宅が選んだ工法はー。

横浜グラウト 中澤和明会長:「傾きを直すという方法は様々あるんですけど、その中でうちの方は地盤改良剤を地中に打ち込むと、それで地盤改良ができて、その圧力によって建物が上昇するという仕組みを用いています」

周囲20か所から薬剤を注入…

東京の建築会社「横浜グラウト」が行うのは、地盤改良材を流し込むことで傾きの修繕と建物の下の地盤改良を同時に行う「ハイブリッド工法」です。

地盤改良剤として注入するのはセメントと特殊な硬化剤で、同時に地中に注入することでゆるい砂地が5秒程度で固まっていくということです。

横浜グラウト 中澤和明会長:「浸みてパッと固まる。ただそんなにわーっと浸みないので、なので2メートルピッチごとに地盤改良はしていくような形になります」

これが地盤改良剤を注入するための管です。これを5メートルの深さまで打ち込み、液剤を送り込む量と圧力を調整していきます。

こちらの住宅では周囲20か所から液剤を注入し、傾きを徐々に補正しながら地盤を固めていきました。

横浜グラウト 中澤和明会長:「初日はこのレーザーここだったんです。ていうことは、建物が低かったっていうこと。徐々に徐々に持ち上がって今ここにいます。だからこの分だけ、この場所は5cmくらい持ち上がった」

安吉さんのお宅では液剤の注入が始まって2日目には傾きが直ったことを実感したといいます。

工事の問い合わせが急増…

安吉佐知恵さん:「一番高いところを背中にして座ると自分は斜めになるんです、テーブルも斜めになって、その状態でごはんを食べてたんですけど、座ったら『あ、平だ』みたいな感じで。本当あの時はうれしくて涙が出そうになって」

工事中も普段通り生活を続けることができ、工期は1週間程度。工事費は基礎の構造や傾きの大きさ、周囲の状況によりますが、1㎡あたり大体5万円から6万円程度。

横浜グラウト 中澤和明会長:「工法も様々ありますんで、どの工法がいいだろうと、いろんな業者さんに聞いていただいて、決めていただければと思います」

この会社によりますと、液状化被害を受けた住宅への県の支援が決まったことで、工事の問い合わせが急増しているということです。

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