能登半島地震から半年。石川県の早期復旧困難地区では今も断水が続いています。なぜ復旧がなぜ遅れているのか?その理由について詳しくみていきます。

半島ならではの問題…能登は業者が少なく、外部業者が入るのも困難

南波雅俊キャスター:
石川県、富山県、新潟県、福井県、長野県、岐阜県といったさまざまな県にわたり、断水の被害は最大で13万6000戸ありました。それが5月末時点で、一部地域を除いて断水は解消されました。一部地域というのは石川県の早期復旧困難地区(輪島市の5地区と珠洲市の3地区)で、きょう7月1日時点も断水は続いています。

なぜ復旧が遅れているのかというと、土砂崩れや建物の倒壊で現場に行けない状況や、電気がまだ復旧していない地域もあるような状況だからです。

取材をしたところ、珠洲市の担当者は「建物の倒壊や土砂崩れなどの復旧作業が進まない状態。水道の復旧作業まで手がまわっていない。今後のめどもたっていないのが現状です」と話しています。

また、災害の復旧に詳しい宇都宮大学の近藤伸也准教授いわく「能登半島は高齢化が進んで、業者が少ない上に半島なので、外部の業者が入るのも難しい。水道の復旧は1か所ずつやっていくしかないので、時間がかかってしまう」とのことです。

それから珠洲市の「乗光寺」では、1月末の段階で、寺の敷地内を掘って井戸水が出ました。2月には、井戸水を洗濯用で住民に供用することになりました。そして4月20日には、寺の水道管が復旧しました。

ただ、乗光寺の落合誓子さんによると、珠洲市から断水が解消されたとされる場所でも「水道管から住宅につながる給水管などが復旧できないため、未だに断水している場所が多い」とのことです。

あとは業者の数も少ないなかで、今申請しても、最大5か月ぐらい待たなくてはいけないような状況もあるということです。

ホラン千秋キャスター:
当初の断水の戸数から考えると、その数は大きく減っています。しかし、水が通るようになったけれども、どうして私たちのところまで水が来ないんだろう、どうして直してもらえないんだろうと、さまざまな作業や活動があるなかで、取り残されていく感覚になってしまう。皆さん心身ともに、疲れや苦しみのピークが常に長続きしてしまっているような状況ですよね。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
ですからこのようなニュースを、半年経ったけれどもちゃんと取り上げて現地に行って、生々しい映像を我々が見ることによって、この地震は忘れないんだと。

確かに断水だけ見ると、99%ぐらい復旧されているものの、残りの1%ぐらいは終わっているわけではありません。がれきなどを見ても、まだまだ撤去作業が途中ですので、ずっと長期で続きます。忘れてはいけないということが、まず大事だと思います。

========
<プロフィール>

ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者 1963年オランダ生まれ
現パナソニック、アース製薬の社外取締役など

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。