名古屋・栄の「松坂屋」と言えば…400年の歴史を誇る超老舗百貨店。
本館は築100年なんですが、いま史上最大規模の大改装が進められています。
新しい時代の百貨店に向けて、今どうなっているのか、独占取材に行ってきました。とんでもない広さです!

【名古屋・栄 5月10日】
(大石邦彦アンカーマン)
「名古屋・栄にやってまいりました。ことし4月にオープンしたのが、こちら中日ビル。かつての雰囲気を残しつつ、高層ビルへと生まれ変わりました」

(大石アンカーマン)
「そしてもうひとつ、高層ビルの建設が進んでいるのがこちらになります。ここには商業施設、映画館、高級ホテルなどが入る予定なんです」

着々と進む「栄地区の再開発」。
街の景色が急速に変わっていく中、400年以上の歴史を誇る老舗百貨店、ここ松坂屋も。

ワンフロア丸ごと“コンクリートむき出し”にして、ただいま大改装中

(大石アンカーマン)
「こちら、松坂屋のバックヤードです。いまここは何階?」

(松坂屋名古屋店 水品圭貴さん)
「本館の4階です」

(大石アンカーマン)
「4階より上は通常営業してるわけですよね。ちょっと中よろしいですか?」

(松坂屋名古屋店 水品圭貴さん)
「はい。ではご案内します」

(大石アンカーマン)
「普段は立ち入り禁止ですが…あ!え!声が響き渡る!何も無いですね!」

ワンフロア丸ごと、コンクリートむき出しの巨大な空間に。
元は婦人服売り場だった本館4階は、ことし3月から改装のためフロアを一時休業。

【4月2日 午後8時過ぎ】
バールやハンマーが勢いよく打ち下ろされ、フロア全体の解体が進められます。

【5月10日】
およそ1か月半で、フロアはからっぽに。ここまでの解体は初めてです。

(大石アンカーマン)
「柱があって、その間にショップがあった名残すらわからないですね」

(松坂屋名古屋店 水品圭貴さん)
「ちょうどこのあたりが売り場の通路だったところです。ここの通りもずっと通路だった」

(大石アンカーマン)
「なにも無くなって改めてわかるのは、めちゃめちゃフロアが広い」

本館はワンフロアの敷地面積が約6500平方メートル。サッカーのグラウンドとほぼ同じ広さです。

増築、増築を繰り返し…老舗百貨店は今の大きさにまでなった!

(大石アンカーマン)
「柱の多さが際立ちますね」

(松坂屋名古屋店 水品圭貴さん)
「柱が多かったり、このあたりは柱が密集していたり、太い柱があるんですが」

(大石アンカーマン)
「確かにここはもう、柱というより壁のようになってますね」

(松坂屋名古屋店 水品圭貴さん)
「理由が、松坂屋名古屋店は全部で6つの建物に分かれていて、5回の増築を繰り返してきた。一番古い建物がB館C館という建物」

松坂屋名古屋店の本館が今の場所に建設されたのは1925年。当時は地下2階、地上6階建てでした。
増築を繰り返しながら今の大きさになりましたが、今回は建設から100年を迎える節目に、本館を中心とした全8フロアを大規模リニューアルです。

(大石アンカーマン)
「いま、すべてむき出しになっているが、これがどう変わっていく?」

(松坂屋名古屋店 水品圭貴さん)
「いつもの1店舗を変える改装などでは天井は残すことが多いが、今回は床も天井も柱の造作物もすべて新しくする。今までの改装ではなかったような空間を作ろうと考えている。床も壁も天井もすべて張り替えて、というような計画をしている」

まずはこの4階と下の3階を全面改装。フロア全体をゼロから作り直すのは、ほぼ初めての取り組みで、あちこちに長い歴史が顔をのぞかせています。

“築100年の歴史”があちこちに…戦時中の名古屋空襲で一度全焼

(松坂屋名古屋店 水品圭貴さん)
「戦前の建築物なので、ここの柱の中を見てください」

これは戦前の部分。柱が真っ黒ですが…

(松坂屋名古屋店 水品圭貴さん)
「こちらが資料館にあった写真なんですが、1945年3月の名古屋空襲の時に、松坂屋名古屋店は一度全焼したと言われている。当時からコンクリートの建物だったので、外側は残っているんですが内側が全焼した。当時の焼けた柱を補強や補修をしながら使い続けている。普通の売り場の時は見えていないので、今しか見られない箇所になる」

(大石アンカーマン)
「戦火をくぐり抜けた証がここにある。それが今回の改装でわかったと」

空襲を乗り越えた松坂屋の名古屋店本館。
戦後まもなく撮影された当時の貴重なカラー写真を見ると、確かに外壁の大部分が焼け焦げて黒くなっていました。
補強や増築を行いながら、築100年の建物を守ってきたのです。

歴史を誇る松坂屋ですが、百貨店を取り巻く環境は厳しさを増しています。
愛知県内ではこの4年で4つの百貨店が閉店し、県内にある百貨店は名古屋市内のみ。岐阜髙島屋もこの夏で閉店し、岐阜県は全国で4つ目の「百貨店ゼロ県」に。

インバウンドの回復もあり都心部の店舗は売り上げが戻っていますが、今回の大改装はこの先100年の生き残りを賭けた重要なプロジェクトなのです。

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