6月前後は、子どもが亡くなるなどした交通事故の数が多く、「魔の季節」とも言われています。事故はどのように起きているのでしょうか。
■事故が多い“魔の7歳” 通学で行動範囲が広がる小学1・2年生は要注意
気をつけていても、なかなか予測ができない動きをする子どもたち。小学生の飛び出しとみられる交通事故が、各地で相次いでいます。
5月30日には北海道・北見市で、小学2年生の男の子が乗用車にはねられる事故が。同月20日には名古屋市でも、道路に飛び出したとみられる男の子が交通事故にあいました。
過去5年間で交通事故で死亡・重傷を負った小学生の人数を見ると…
<児童の月別死亡・重傷者数(令和元年~令和5年)> 出典:警察庁
●1月:206人
●2月:250人
●3月:297人
●4月:279人
●5月:316人
●6月:381人
●7月:286人
●8月:252人
●9月:299人
●10月:339人
●11月:287人
●12月:313人
特に多いのが6月で、381人です。新学期が始まる4月よりも、学校に慣れ始める6月に増える傾向にあり、今の時期は特に注意が必要です。
学年別で見てみると…
<児童 学年別 死亡・重傷者数(令和元年~令和5年)> 出典:警察庁
●1年生:610人
●2年生:681人
●3年生:643人
●4年生:575人
●5年生:529人
●6年生:467人
目立つのが小学1・2年生。実は、事故の多さから“魔の7歳”と呼ばれています。
児童の保護者は…
保護者
「トラックが止まっていると飛び出して危ないので、よく見るように言っている」
「心配ですね。お友達を見つけたらピュッと行くのでドキッとする」
しかし、なぜ7歳の事故が多いのでしょうか。
大阪大学大学院 中井宏 准教授
「自分の興味があるものが目に入ると、そこに一目散に走ってしまうような傾向がある。小学生になると子どもが自分で学校に行って、自分で帰ってくる。行動範囲が広がる」
そこで下校の様子を見てみると、友達と話すことに夢中で白線を超えて横に広がる子どもたちや、突然走り出す子どもたちが。
また、1人が走り出すと、近くにいた子どもたちもつられたように走り始めました。
ドライバーが事故を起こさないようにするために、知らなければならないことがあるんです。
■弁護士「子どもがどう飛び出したとしても車両側の過失が問われる」
井上貴博キャスター:
多くの方が意識して運転していらっしゃると思いますが、忘れがちな標識の一つといわれるのが「ダイヤマーク」です。「この先横断歩道または自転車横断帯あり」という意味です。
横断歩道というのは歩行者がいる場合、車両は一時停止することが義務付けられています。ところが2023年のJAFの調査では、歩行者が渡ろうとする場合でも一時停止をしない車は54.9%で、5割を超えています(※信号のない横断歩道にて)。ダイヤマークを、いかにしっかりと見ながら運転するかが一つ重要になるわけです。
また、子どもの飛び出し事故の過失割合についてのデータもあります。信号のない横断歩道では、13歳未満の子どもが被害者だった場合、加害者に100:0で過失があると判断されます。
もちろん事故の状況などによって細かく変わることはありうるのですが、弁護士の高山俊吉さんによると「子どもがどう飛び出したとしても車両側の過失が問われる」ということです。信号のない横断歩道ではしっかりと止まることが、いかに大切かということになるわけですね。
お子さんは大人に比べて、視野が大変狭いです。突然予想外の行動もしてしまいますし、頭でわかっていても身体が動いてしまうこともあります。
6月は梅雨で見通しも悪いということで、事故が多くなります。子どもは交通ルールを十分に理解できていないこともあるので、交通事故を防いでいくことが大切といわれています。
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