5月17日午後8時過ぎ、大気をかすめてふたたび宇宙空間へ帰っていく「アースグレージング流星」の可能性のある流星が、岡山市で観測されました。

山陽学園大学地域マネジメント学部の米田瑞生さんが高感度カメラで撮影していたところ、17日午後8時3分、【動画】の画面右下から左上へ非常にゆっくり移動する流星が現れました。米田さんは「アースグレージング流星である可能性がある」といいます。

【画像①】ゆっくりな流れ星

ー「アースグレージング流星」とはどんな流星なのでしょうか。

(山陽学園大学 米田さん)
「地球大気に突入する角度が浅いため、通常の流星のように燃え尽きず、大気をかすめて、ふたたび宇宙空間へ帰っていく流星のことです。

アースグレージング流星(Earth Grazing Meteor 「graze」がかすめるという意味)は【画像②】のように、文字通り地球の大気をかすめるように、浅い角度で大気に突入します。

池や川の水面に浅い角度で投げた小石が、水面を跳ねるように、宇宙から地球大気に突入したちりや隕石も、突入角度が浅いと弾き返されてしまうのです。そうすると、それらの宇宙からやってきたちりや隕石は、地球大気と接触しているときだけ光って見える、流星になります。

通常の流星は、宇宙空間を漂うちりや隕石が、地球の大気に飛び込んだあと、大気と衝突を繰り返し蒸発して消失するのに対して、アースグレージング流星は、大気圏を脱出して発光しなくなりますが、実際は宇宙空間を飛び続けています

【画像②】「アースグレージング流星」大気をかすめ再び宇宙へ

ー普通の流星よりもゆっくり移動しているように見えますね。

(山陽学園大学 米田さん)
「【動画】のように、アースグレージング流星は(時間的にも経路的にも)長く見えることが多いようです。ただし、このような単体の観測映像だけでは、断定することができません。複数の方角からの観測映像を組み合わせて、実際の流星の軌道を特定することができれば、判定することができます」

通常の流星はあっという間のことなので、願い事を言おうと思ったときにはもう消えていることが多いのですが、このようにゆっくりした流星なら願いごとを3回唱えることができるかもしれませんね。

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